そうした農地は荒廃が進まないよう認定農業者や法人などに集約されることが必要である。集約された農地には転作作目が作付されるが、例えば大豆などの畑作作目は作業効率を高めるためにあえて水田を、勾配をつけてでも大面積の畑に改良するなどが、一部では行われている。しかし昨今の台風災害における畑地の土壌流出被害を見た時、作業効率向上の反面、国土保全の観点からの水田の機能を活かすことが重要である。
そこで今後兼業農家から吐き出されてくるかもしれない耕作放棄水田を活かすために、飼料米とともに米粉用米が必要ではないかとの考えの元、コメの大規模生産をするとともに、遊休農地の借り受けを行い、さらに米粉生産を行う「農事組合法人りぞねっと」への研修を行った。
米を主食ご飯の米として大規模に効率的に生産すれば、価格の低下や過剰在庫の問題を引き起こす。ごはん以外の用途が必要である。
国内での穀物消費はご飯・パン・麺がそれぞれ三分の一ずつとなっている。米の消費を拡大するにはこの米の副食化やパン・麺へ用途を拡大することが必要である。つまり食の多様化への対応である。それが米粉であり、「卵・牛乳・小麦」は三大アレルゲンともなっておりグリテンフリーで、健康志向にも沿い将来的に有望である。ただ麺に加工する場合の「つなぎ」などのノウハウ。パンにする場合の日持ちの問題、さらに価格の問題と課題は多くすぐさま米を米粉にすれば問題は一気に解決すると言う事でもないようだ。今後は米粉の加工技術もさらに向上が求められる。
米粉こそ救世主、と思いつつも、現地調査を行ってみると、難しさがひしひしと伝わる。何事も一朝一夕には進まない。
米粉こそ救世主、と思いつつも、現地調査を行ってみると、難しさがひしひしと伝わる。何事も一朝一夕には進まない。