2016年12月22日木曜日

ハラスメント対策、早速実現!

 昨日21日、12月の議会が終了した。最終の本会議開会に先立ち総務部長等が会派室に見えられ、今議会の一般質問で行った「ハラスメント対策」について、早速要綱の改正などに取り組み、成案を得て近く実施に移すとの報告を頂いた。「役所は変わらない」、とかくそう言われるのではあるが、「おぬし、できるな」と思わず声が漏れそうになる迅速対応である。

 ポイントはハラスメントに悩む方々が相談しやすいようにする、という事である。そこで相談窓口を増やす、相談員を増やすなど大きく改善した。この事はハラスメントの発生を抑止する効果も大きい。

 佐世保市職員は学歴も高く、何となくエリート風である。しかし人間力が弱く組織力はさらに弱い、と感じる。それは一般質問で触れた通りであるが、OJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)でしっかりと育て上げられてないような気がする。自分は傷つかない高みから、部下に様々な手段で圧力をかけることから、パワハラは発生する。上司が部下を鍛え、また上司は部下の批判に耐えうる能力を身に着ける事が大事である。その為には人間関係でもう一歩、踏み込むことも必要である。相談体制を身近に置いて、人間関係をもう一歩踏み込む、人間力をを引き上げれば、組織力は拡大する。

 相手をおもんばかって、あるいは他の部局に踏み込まない、など隙間風や壁が、ある。それは職員もみんな気付いているようである。あえて「毎回一般質問をする」、と細やかに自分が自分でできることをすることで、大きな組織も少しずつ動く。市の課題は山積、職員には頑張ってもらわなければならない。

 

2016年12月19日月曜日

畜産の振興について 12月一般質問②

インターネット放送もご視聴いただけます。


 ここにJAの広報誌のコピーがあります。平戸口中央家畜市場運営協議会による購買者誘致活動として神戸、愛知、静岡を市長そしてJAの田淵組合長が訪問されたという記事です。ここには牛肉の消費増、輸出増の状況、そして今後10年は大幅な価格下落はないという見通しが示され、産地として増頭して欲しいとの要望がなされたとされています。
 これはまさに市長の生産者への施政方針の表れであり、それはまた政策として実行されなければなりません。

本市農業、特に畜産業に関してその振興に係るのは「6款農林水産業費2項畜産業費2目畜産振興費そして細目農業生産基盤整備事業」となるかと思います。

本年度予算は、農林業生産基盤整備事業において前年度予算153百万円より1000万円減少し143百万円となっています。その内訳は家畜導入促進事業費が1500万円から1000万円へ500万減額され、前年114頭の導入実績に対し本年度70頭の予算措置であります。
また、畜産施設・機械等整備事業費が前年度予算617万に対し150万と約5百万の減額です。何故に今これらの事業がかくも無残に萎まなければならないのでしょうか。

問1
 この事は表面的には、本市における畜産政策が先細っているように感じますが、予算減の理由をお聞かせください。

回答 

コメント
 まず家畜導入事業について。
生産者は希望を出して抽選で対象者が決められている。現場においては希望者の声も多く聞きく。生産現場において需要が減退しているのではなく、市の方針として予算が減らされた、と言う事ではないのでしょうか。
 また簡易牛舎の建設においては、昔ながらの農家に付随した納屋での1、2頭飼いから、施設や機械の近代化を行い、プロの畜産経営へ政策誘導する事業であり、需要調査に基づいて減少と言うのは、まさに失政と言うべきことではないでしょうか。その点は後程、議論を深めたいと思います。

 その前に、畜産に対する理解を深めていただくために、しばし話をさせて頂きます。
 牛という商品。
肉用牛経営―繁殖牛経営、肥育牛経営
・雌牛誕生―15月→母牛:交配(種付け)→290日:出産―8月→出荷:競り市
 この母牛に子供を産ませ市場に出荷するまでが繁殖牛経営です。
・この月例8~10月の280,290キロほどの牛を2年程で700キロほどに肥育して食肉市場に出すまでが肥育牛経営となります。
 雌牛が誕生して、子供が生まれ、その牛が成牛となり肉となって食卓に並ぶまでに5年ほどかかります。

 本市の肉用牛経営概況によりますと平成27年度で
・繁殖牛経営が294戸、で2,106頭出荷し、14億5910万円の販売高
・肥育牛経営が21戸、1,177頭出荷し、102730万円の販売となっている。
 合わせて25億ほど販売高というのが、本市の肉用牛経営であります。
 産業として大きいのか、そうでもないのか、いかがお考えでしょうか。それを判断するためにはいくつかの物差し、尺度が必要である。
 そのためにもう少し、肉用牛経営についての理解を深めて頂きたい。時間の都合で繁殖牛経営の事例でお話します。
・平成14年の調査によると市場に出され販売される子牛の原価は425,000円となっています。その内訳は労賃が20万円、飼料が108,700円、他母牛や建物機械設備の償却、家畜診療・共済保険となっています。この原価構成では425千円の価格でも6割以上は手元に残る金額になります。それが現在70万から80万に及ぶ金額になっています。肥育牛経営はまた構造が違ってきますが、こうした原価計算から先ほどの販売額25億を考えますと、その内20億が、生産農家を始め地域に還流する金額になります。

 例えば小佐々の新しい工業団地に誘致された企業を考えてみます。非上場会社という事で売り上げなどは分かりませんが、おそらく材料や半加工品を県外から仕入れて加工あるいは組み立て県外へ出荷する形だと思いますが、純然とこの地域に落ちるお金、還流するお金は働く人たちの給料という事ではないかと思います。企業立地局のお話では最大200名の雇用が予定されている、とのことであります。働く方々の平均年収を500万円としたとき200人で10億になります。
 この工業団地を作る費用は28億2900万円、土地の販売額が14億3500万円、その残りの内、県の補助を得て、市の負担は6億3000万円とのことでありました。一定の雇用の場を作り所得が得られ地域が潤うためには、投資が必要です。この工業団地が全部販売され、企業誘致が達成された時、この工業団地で働く人たちの給与総額が20億くらいになるのでしょうか。市が6億3000万投資することによって、それが実現されます。

 肉用牛経営もまた20億以上を地域に循環させる産業です。さらに肉用牛経営がこの地域にあることによって、94億4367万円を取り扱う食肉市場があり、そこには100名を超える方々が勤められています。過去においては平成24年に開催されました「第10回全国和牛能力共進会長崎大会」においては、本市への来客者数414,000人、経済効果約90億円とも報告されています。

 ここに日本経済新聞九州版本年10月21日の記事があります。JR九州の唐池会長の話。「農業の1億円は流通の100億円に相当する」
 農業と言うのは実はとても経済波及効果の大きい、すそ野が広い、産業であると言う事であります。

 また公共工事や福祉政策、いわゆる自助・共助・公助の観点から考えてみます。たとえば農村が疲弊し水資源を涵養する機能が失われたらどうでしょうか。耕作放棄地が身近に迫れば、猪が中心部でさえ徘徊し生活が危険に脅かされます。こうした事への対策を土木事業や安全対策で行おうとすれば、莫大な費用が掛かります。限界集落化し高齢者が孤立すれば、それを福祉行政でカバーしなければなりませんが、これまた大きな費用が掛かります。つまり公共工事や社会福祉などの公助で支えることには莫大な費用が掛かり、一方、農業は自助のシステムの根幹をなすものなのであります。その農業の中でも畜産業があることにより循環のシステムが成立します。

 この畜産業が今、この地域において、産業として自立しようとしている最中ではないかと思います。先般私どもの会派「緑政クラブ」で山形へ行政視察に行ってまいりましたが、その際「新規就農も含めて若い人たちが10頭20頭と牛飼いを始めている」という話がありました。有名ブランド「米沢牛」の地元であります。

その大事な農業とその根幹を支える畜産業に対して、どのような政策があるか、どの程度の予算があるのか、そこが今日のテーマであります。

この農業生産基盤整備事業、27年度予算153百万円、大きな金額の様ではありますが、その内訳の大きなものは構成する再細目「肥育素牛導入預託事業」の13000万円であります。これは13000万円が預託される、すなわち決算において13000万円返済され、年度の当初に13000万円預託されるという事で、企業会計でいえば使われた金額ではなく、預けられた金額、損益計算書には関係のない貸借対照表上の科目の違いです。市の財産が減少したわけではありません。また920万円は宇久町との合併以来宇久町から引き継がれた肉用牛振興基金からの繰り入れであります。

問2
それを差し引くと1380万円、これが市の自主財源から支出する中身です。大きな産業を維持発展させる投資として、あまりにも少なくはないでしょうか。
 また、この振興基金はいよいよ底をつき、28年度予算でこれまでの半分以下の4,232,000円の繰り入れ、そして残高が87,661円となっています。
現在来年度の予算が検討されているかと思いますが、枯渇した振興基金の今後はどうなり、繰り入れることによって成り立っていた農業生産基盤整備事業はどうなるのでしょうか。お尋ねをいたします。

回答

コメント
ぜひ、ふるさと納税:ふるさと元気基金から繰り入れる位の振興策を講じて頂きたいと思います。
前回の「減反廃止後の本市農政の在り方」とのテーマで一般質問を行い、少ない予算で行う自治体農政は国・県の事業の利用により、少ない予算で大きな事業に取り組むことが重要であると意見を述べさせていただきました。
 奇しくも今般補正予算で国の畜産クラスター事業での議案が提出をなされています。所定の委員会での慎重審議が待たれますので、ここでは多くを申しませんが5800万円の事業です。国が23165千円、県が3823千円、合計26988千円、そこに市の負担3448千円が加わります。市の3448千円が5800万円の事業となり50頭の牛が増えます。

問3
クラスター事業をどのように本市畜産振興に取り込むかがポイントかなと思いますが、本市としてクラスター事業をどのようにとらえ、また事業の将来性、本市がどのように活用できるかの見込、をお尋ねします。

回答

問4
同様に県の畜産振興のためのパワーアップ事業があると思いますが、その制度概要そして取り組み、についてご説明をお願いします。

コメント
日本の農業生産額は約8兆円、基幹的農業従事者は200万人、一方、トヨタ自動車は26兆円の売上高を連結従業員343,872人で支えています。今農業は、農業従事者がプロの農業者へ集約されていく過程、稼ぐ農業へ向かって再構築されつつあります。
本市肉用牛経営においてもこの3年間で、1-2頭飼いが23%減、39頭飼いが15%減、10-14頭飼いで10%減、15-19頭飼いは40%増加です。その傾向が表れています。
ながさき県北畜産クラスター協議会の現状と目標という資料があります。26年度の現状に対し、目標年度32年、飼養農家戸数は49戸減少、しかし飼養頭数は74頭増えて、2900頭にする。ぜひこの目標に向かって具体的なロードマップを作って頂きたい、先ほどの説明では本年度1件、31年度に2件と言う計画です。県のパワーアップ事業については 年度に  件です。
どちらかと言うと1、2頭飼いの畜産農家を対象とした市単独の導入事業が縮小されるのは十分理解できますが、それには多頭飼育農家の育成策と連動しなければ意味がありません。クラスター候補農家やパワーアップ候補農家をピックアップし、生産者団体と連携して年度にそれぞれに複数件実現できるよう、計画的に進めなければと考えます。

問5

 最後に畜産振興への市長のお考えをお聞きいたします。

2016年12月17日土曜日

ハラスメントについて 平成28年12月議会 一般質問①

インターネット放送もご視聴いただけます。

導入
・7回目の一般質問となる。色々なことが分かってきました。
・中でも一番分かった事は、「いかに自分が分かっていなかったか」という事。
・行政とは、究極的には人の営みとのかかわりであることを考えれば、この年になるまで、それなりに仕事もしてきて、地域や諸団体の活動もしてきて、子供も3人育て、世の中の事、十分に分かっていたつもりでした。
・一つを知ればそれに付随して、二つほどわからないことが出てくる。知れば知るほど、分からないことも増えてきます。
・対峙する市長はじめ行政各部局長の皆様は、行政のプロであります。担当するすべてにご精通であることは言うに及ばないことである。
・ただ事実は一つでも、見方はいろいろ。供給者か需要者か。行政か議会か、市役所か市民か、あるいは加害者か被害者かの違いもあるかもしれません。立ち位置によって見えるものは違ってきます。
・「無知の知」という話があります。古代ギリシャ時代、ソクラテスの哲学に出てくる言葉です。色々な解釈や言い回しはありますが、概略、「自分は何も知らないという『謙虚さ』を持つ」、というような意味かと思います。
・今日は「ハラスメントの認識と対策について」そして「畜産振興について」、2点質問をいたします。
ぜひ視点、立ち位置を変えて考えて頂ければと思います。



ハラスメントについて

問1
 まず行政組織・職場としての本市におけるセクハラ、パワハラ、そしてそれに起因するところの新型うつ病の把握する現状についてご説明願います。

回答

コメント
 私の子供もいよいよ来年4月から社会人になります。子供や親友達などの情報によれば、本市にも子供の友人が数名、採用されている様です。職場に馴染み、能力を発揮し、自己実現をし、仕事人生を全うして欲しいと願うばかりです。先般来、大手広告代理店電通の入社2年目、24歳の前途有望な女性が自ら命を絶たれた、という事件があり、労働基準監督署が「月の時間外労働が105時間、心理的負荷による精神障害で過労自殺に至ったとして労災認定した」との報道が連日なされました。
 また福岡県糸島市の男性職員52歳、うつ病自殺の報道もありました。

問2
 月の時間外労働100時間というのは、一つのキーワードとなっているような気がします。佐世保市役所における月に100時間を超える時間外労働の実態はどのようになっていますか、お尋ねをいたします。

回答

コメント
 このことについては調査を依頼して1週間ほどでしょうか、調査とその取りまとめに、時間がかかりました。ここ2,3月、電通の女性社員の自殺は頻繁にテレビや新聞で報道されていましたので、こうしたニュースがあれば、自身が責任を持つべき職場の実態はどうなのか、と反射的に疑問が出るのではないか、出るべきではないかと思います。月末締めで、少なくとも月開け1週間の内には各部局の残業時間が把握され、監督指導があるべきと思いますが、つまり、管理上常時把握しているべき数字であると思いますが、常時の危機管理意識がどうなのでしょうか、疑問を持ちます。

 そんなことから日頃セクハラやパワハラが発生した時、どんな受け止め方がなされるのか、心配であります。

問3
 セクハラを受けた女性は、まずどのような流れで、救済されますか、同様にパワハラについては、どのような対処でしょうか、お尋ねをいたします。
具体的にご説明をお願いします。

回答

問4
 ご説明の総務部長発、各部かい長様宛、「セク・ハラ、パワ・ハラの防止について(通知)」とパンフレットについて質問します。
 ここには部かい内の会議・朝礼等を利用して所属職員に周知するよう書かれていますが、どのように実施されたかの確認はどのようになされましたか。

回答

コメント
 このパンフレットに、パワハラとはとして「挨拶しても無視される」「処理しきれない仕事を無理やりやらされる」「みんなの前で上司から大声で怒鳴られる」などが記載されています。大声で怒鳴る、家族のことなど私的な領域に踏み込む、心的ストレスからか通院で休むことになった女性職員に対して診断書の提出やそのコピーを提出させる、そんなことがあったなどの風聞もあります。

問6
 ご説明のセクハラ防止要綱に記された苦情相談窓口の設置、苦情処理委員会の設置についてお伺いいたします。どのような構成あるいは設置内容になっていますか。

回答

コメント
 苦情相談窓口が設置されて、その相談員は所属長が職員の中から指名するとなっています。説明によれば職員課では課長と課長補佐、教育委員会・消防局では課長、男女共同参画課女性職員が相談員になっているという事です。
 現状ではこの苦情相談の窓口や苦情処理委員会というのが、ハラスメントで悩む職員にとっては最後の救いであると思いますが、現実的にこの使い勝手がどうなのかという事で、質問をいたします。

問7
 例えばこの制度によって救われる側からの、この制度の使い勝手を見る必要があると思います。深く悩んだときに、スムーズに相談できる仕組みになっていると思われますか。

回答

コメント
 私は現在の「佐世保市職員のセクシャル・ハラスメント防止に関する要綱」からもその趣旨が理解されない運用がなされているのではないかと思います。まず相談窓口の設置と相談員ですが、相談員は別表1の相談窓口の所属長が職員の中から指名するとなっています。

問8
 別表1とは職員課、人権男女共同参画課、教育委員会総務課、消防局総務課となっていますが、その所属長とはどなたと解釈されるのでしょうか。

回答

コメント
 私は普通に読めばその課長であると思います。この要綱では2段構えになっていて、まず相談員に相談し、そこでの解決が難しい場合には苦情処理委員会に処理を依頼する様になっています。苦情処理委員会は別表2に記され、先ほどの課長と、総務部長が苦情処理委員会の委員長を務めるようになっています。
課長が、課長よりも下のクラスの職員から相談員を選び、相談窓口の敷居を低くするというのがこの要綱の第一ではないでしょうか。課長が相談員になるのは間違いではありませんか。

問9
 運用が十分ではないと思いますが、どのようにお考えでしょうか。

回答

コメント
ハラスメントが起きたらどのようになるか。
 民法709条 加害職員に対して 「不法行為に基づく損害賠償責任」
  民法715条 企業の使用者責任
  民法415条 雇用契約上の安全確認・職場環境配慮義務の不履行

 冒頭でお話ししました福岡県糸島市における本年11月10日の控訴審判決では、「上司が男性の過重業務を認識していなかった。上司が勤務時間を減らしたり職務分担を変更したりすれば自殺を回避することも可能だった」として市の安全義務違反を認めました。

 これから責任回避のためのアリバイ工作の様な対応では、ハラスメント事件は防げないしまたその責任は回避しえない。そこでこの要綱の趣旨を生かすとともに実を込め効果有らしめることが必要です。

問10
 まずセクシャル・ハラスメントの防止綱領がパワー・ハラスメントなどにも重用されていることを、文言を整理して、「ハラスメント防止綱領」に変更する。
 相談員を趣旨通りに課長未満で指名し、広範な部署に配置し、相談の敷居を低くする。
 さらに、相談員はその趣旨を理解していただき氏名、メールなどパンフレットに明示し周知を図る。相談しやすくすると同時に、そうすることにより人事異動を通じて、相談員経験者が職場組織に広がり、ハラスメントへの意識が向上し抑止につながると思います。
 ご提言しますが、いかがでしょうかご感想をお聞かせください。

 ストレスチェック義務化の制度がスタートしました。
問11
 取り組み体制、どのように生かされるのか、お尋ねします。

回答

コメント
 しっかりとしたハラスメント対策とストレスチェックをして、私が必要と思うのは健全な職員としての能力向上、そして行政組織の組織力の向上です。

ショーペンハウエル ヤマアラシのジレンマという寓話があります。

寒さに震える二匹のヤマアラシ
温もりが欲しくて互いにくっつくと、トゲが刺さって傷つくし、相手も傷つけてしまう
かといって離れると温もりが届かず寒い
ぬくもりという価値ある距離は傷つき傷つけられる危険な距離でもあります。近づいては離れる、離れては近づく、何度も繰り返すうち、やがて二匹は温もりを感じつつも傷つかない距離を見つけ、幸せになった。  そんな話です。

 相手を傷つけない距離とは安全な距離です。しかしそれは、お互いにとって有益な距離ではありません。議員という立場から佐世保市の行政組織を見つめて1年半ほど、人と人、部局と部局、それぞれに相手をおもんばかって、また縦割りの壁を厚くして、安全な距離が確りとキープしてあるように感じます。
 傷つきながらも見つけ出した絶妙の距離感、これが夫婦や家族のきずなであり、組織の力の源、組織力です。「市役所力」、何となくさらりとしていませんでしょうか。

 相談体制を整備しストレスをチェックし、時に傷つくことがあっても、職場での議論が活発になり、上司は部下を育て、また部下の批判に耐えうる能力を培い、活力ある組織になるよう期待いたし、この項目の質問を終わります。

最後に市長の見解を問う。

2016年11月29日火曜日

減反廃止後の本市農政のあり方について 9月一般質問2問目

9月一般質問 インターネット中継
http://www.sasebo-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=829

 「コメ減反、2018年廃止へ」、何となく衝撃的なタイトルですが、近頃よく目にするようになりました。正確には、これまで国が生産目標数量を設定し、これを各都道府県に配分する形で主食用米の過剰生産を抑制していたのをやめ、2018年産から行政による生産目標配分に頼らずとも、円滑に需要に応じた生産が行われるようにする、と言う事です。もっとも昨年産米は減反計画を超過して達成していますので、作りたくても作れない、そう言った減反に対する農家の反発はかつての様にはありません。



基幹的農業従事者の数はいよいよ200万人を切る状況になり、49歳以下の新規就農者が年間21,900人ほど加わるものの、その平均年齢は70歳へ向かって、上昇している状況です。



コメはどちらかと言えば手のかからない作物として95%は兼業農家で生産されています。また経済合理主義よりもむしろ主食確保・食料自給に対する国・行政の責任の観点から議論されてきました。さらには国土保全における洪水防止機能は年間3兆4988億円とも言われていますし、家の周り、地域の農地を荒らすわけにはいかないと言う、勤勉な美徳に支えられる部分も多くあります。



こうした一般的な産業政策にはない独特の視点も、農政を語る上では大変重要な事ではありますが、一つの産業として、稼ぐ農業、稼げる作目で稼ぎ、経済的に自立する、要するに持続可能な農業をどのように作っていくかと言う事を、冷静に具体的に考えていく、減反廃止はその契機ではないかとも思います。

問1)

そこで、1つ目の質問です。

まずは、本市農業振興策の基本的な考え方や施策、稼ぐ農業につながる具体的な事業などについて、お尋ねをいたします。



回答


コメント)

より刺激的な言葉でいえば地域農業のリストラ、です。リストラとは何でもかんでも切って捨てればいい、と言うのではなく、正確にはリストラクチャリング、再構築、という意味であります。その手法は、まずは選択と集中、すなわち稼げないものは捨てて、稼げるものに集中するという事です。次には人材の流動化です。

只今ご説明いただいた一億農産物振興事業、選択と集中という意味においては、大変有用な政策であると思います。


問2)

ただ今のご答弁の「一億農産物振興事業」について、お尋ねをいたします。当該事業の目標は、現在の販売額の120%ということですが、例えばこの中にアスパラガスがあります。近隣の松浦市においてはJR九州系の法人農業による大規模栽培も始まっています。具体的にどのような施策かご説明をお願いします。アスパラに関して、具体的にどのような施策で、現状を将来どうしたいのか、ご説明下さい。


回答



コメント)

 国策としての農政に対し、自治体で行う農政を自治体農政、とも表現します。この自治体農政は予算の制約もあり十分にまた画期的に何かができる、と言うものではないかと思います。そこで先ほど述べましたように国のメニューを生かし、少ない自己資本で大きく事業に取り組むことが必要です。

また地域間連携により近隣自治体と力を合わせて産地形成等を進める事により、さらに大きな産地形成、ブランド力のアップを行う事が必要になります。


問3)

そこで本市が、中核市・連携中枢都市として県北地域の農業振興をけん引することも必要になるかと思いますが、近隣市町との広域連携の必要性と支援のあり方について、どのような考えか、お尋ねします。


回答


コメント)

すでに、広域連携の取り組みをなされているとのことですが、県北地域の農業振興をけん引すべき本市としては、近隣市町の状況をしっかり把握し、足並みを揃えてご支援いただきたいと考えます。

ある市ではアスパラの選果機導入5,000万の事業費を国の産地パワーアップ事業で半額を調達し、残額の28%をふるさと納税の益金で賄い、残りを農協が負担し、農協はそれを、生産者から利用料で回収する、そのような具体的な事業に着手しています。表現を替えれば、市の700万円の負担が、生産者:及びその団体、いわゆる民間活力の1800万円引き出し、残り2500万円の国の助成を獲得し、5000万の選果機を導入し、1億円の産地が形成される、と言うことです。

こうした「ふるさと納税」を活用しての農水産業の産地形成、そろそろ考えるべきではないでしょうか。(ここは提言としておきます。)



問4)

稼げる作目への選択と集中、として質疑を交わしましたが、次には人材力の問題です。良くリストラを労働者の配置転換や退職勧奨と受け止められますが、要するに生産性のない働く場から生産性の高い働く場へ、人材力をどう移動させるかの問題です。

冒頭農業従事者の高齢化と減少、新規就農者についてお話しましたが、例えばトヨタ自動車は26兆円の売上高を連結従業員343,872人で支えています。対して産業としての日本の農業は、生産額が約8兆円、農業従事者は200万人ほどです。農産物の消費高が画期的に増えることはありませんので、一人当たりの収入を増やすには、トータルとしての農業従事者は減るが、稼ぐ農業者は増える、という構図にならなければなりません。

そこで稼ぐ、プロの農業者を育成しなければなりません。



 その前段として、新規就農者など担い手育成に、どのような対策を実施していかれますか、ご説明をお願いします。


回答


コメント)

本市における農業就業人口の60歳以上の方々が占める割合は、78.6%です。国や県の割合よりも大きい状況ですが、全国的にみても兼業農家の高齢化が限界点に達しており、大量の引退が始まります。

兼業農家が兼業農家として勤めながら跡を継いでいくという事例も随分と減ってきました。地域生活の身近でそうした現状を感じます。ですから兼業農家から離れて行く良質な生産基盤はプロの農業者に引き継いでいただかなければなりませんが、手のかからない、作りやすい米で兼業農家を維持し、その兼業農家が幅広く底辺を支えることで保全されていた地域農業、農道や水路などがあることも現実です。  


問5)

今後地域の生活インフラとも重なるこうした農道や水路、水資源、景観、地域農業をどのように維持されるのか心配ですが、いかがお考えでしょうか。


回答


コメント)

飼料米が、今とても地域に役立っています。10aに8万円程の補助があり、従来のコメ作りよりも更に手はかかりません。農家はほどほどの管理ですみ、畜産農家との連携することにより、水田の荒廃が食い止められています。選択と集中で稼げる作目への転換を進めるために、複数の水田に勾配をつけながらでも一枚の畑にし、作業効率を高めるという事が進められている事例もありますが、今般の北海道への台風襲来の後の土壌流出した畑を見てみますと、当該地域における国土保全にはやはり水田が必要であると思います。「飼料米がなかったら、田はあれとったね」そんなこともよく聞きます。中核的な畜産農家が地域にあれば、こうした連携で地域の農地の荒廃が防げます。

高齢農業者が引退し、それとともに良質な農地が、新規就農や認定農業者、法人農業へ集約され、彼らを中核として、減少しつつも兼業農家も含めた地域営農組織が地域を支える、そうした将来像が進むべき方向であると思います。極端な農業改革ではなく、ある程度の時間軸で世代交代と農地集約を行いソフトランディングさせる、そういう農業改革であるべきと思います。


問7)

農業政策については、国の役割、自治体の役割がそれぞれあるものと思います。このことを踏まえて、

最後に、市長の農政に関する考えをお聞きいたします。

2016年11月24日木曜日

「防災危機管理局の防災危機管理意識について問う」 9月議会一般質問


インターネット放送


 9月1日、総合防災訓練が大規模に開催をされました。防災体制の強化と市民の防災意識の高揚が開催目的となっておりますが、訓練を終え、どのような総括がなされるのでしょうか。

 今般の防災訓練には最新鋭機であるオスプレイも投入されました。危機管理の究極は安全保障であると思いますが、本市は自衛隊、そして米軍の基地を有する、日本の安全保障を支える町であります。そして本市の安心安全を担当するのが、防災危機管理局であります。

 さる8月5日、午前9時30分ごろ、小佐々町・世知原町・吉井町・江迎町・鹿町町・宇久町で「国民保護情報の訓練放送」が誤って放送されました。これまでに聞いたこともないようなサイレン音が吹鳴され、またこれまでに聞いたことのないような放送内容であったことから、私にも何件か電話での問い合わせがございました。私はその時「議会課題検討会」による、ペーパーレス会議の研修のため、数名の議員とともに鹿児島に向かう新幹線の中にありました。

 「ゲリラ攻撃発生とかの防災放送があったけど、何、それ」

そんな問い合わせに、私自身すぐに理解できず、防災危機管理局へ電話で問い合わせをし、またメールでことの仔細を伝えて頂く旨お願いした次第でありました。

かつて連合艦隊司令長官 東郷平八郎は、日露戦争から凱旋し、その総力戦としての連合艦隊の任務を解き平時編成に戻す連合艦隊解散式において、居並ぶ将兵に対し訓示を行いました。これはその後「連合艦隊解散の辞」と呼ばれ、世界の指導者が座右に置きまた将兵の指導書になったともいわれています。そこにこんな行があります。

「百発百中の砲は、一門よく百発一中、いうなれば百発打っても一発しか当らないような砲百門と対抗することができるのであって、この理に気づくなら、われわれ軍人は無形の実力の充実、即ち訓練に主点を置かなければならない」と述べ、平素の鍛練の重要性を訴えるとともに、「勝って兜の緒を締めよ」と、締めくくりました。訓練と平素の鍛練、そして危機意識・心構えが、肝要であると言う事です。

 私は、平常時に訓練放送が誤って放送された事は、非常時に緊急放送が誤って放送されない事と同じでは無いかとの危機意識を持ちました。そして私の一連の問い合わせに対する回答に危機意識を感じることが出来ませんでした。またこれは一担当職員のミスではなく、トラブルが発生した時、それを修正する組織的行動がないのではないか、そう感じました。そうした観点から、質問を行います。



問1)   まず、誤放送の内容と経緯についてご説明をお願いします。



問2)   Jアラートの緊急点検の依頼に対し、どのような体制で臨まれたかをお尋ねいたします。



問3)   誤放送後の対応についてお尋ねをいたします。

・誤放送が発生したことをどのような経緯で知ったのか。

・誤放送である旨の支所への連絡はどのように行ったのか。

・各支所住民からの問い合わせ件数、内容がどうであったかの調査を行ったか。



問4)   誤放送をした者が、誤放送の影響を判断し、その後の対応を行ったのではないですか。
危機を招いたものが、危機の度合いを判断するという事は、危機管理上適切でしょうか。



問5)   そもそもJアラートと防災行政無線の関係はどのようになっているかをお尋ねいたします。
 防災行政無線の管理・運用については「佐世保市防災行政無線管理運用規程」しかありません。
その中で放送の種類を「緊急放送」『普通放送』「試験放送」と制限列挙しています。
Jアラートについての記述はありませんが、Jアラートは緊急放送、すなわち非常災害時の緊急時に行う放送の一つとして考えるべきだと思われます。
この運用規程には緊急放送は消防局指令課が行うとされていますが、消防局指令課はこの点検にどのように関わりましたか。
 また平成28年2月17日付の「平成27年度国民保護計画修正(案)新旧対照表」によりますと、警報の内容の伝達方法の規定があります。ここに唯一Jアラートと防災行政無線とのかかわりがあります。担当部局は防災危機管理局となっています。

 自動起動ではあっても地方自治でありますので、地方自治体の防災行政無線で放送する以上は、地方自治体の権限と責任において位置づけをしなければならないのではないでしょうか。Jアラートが自動起動したならば、間違いなく放送が各スピーカーにおいて行われたか、消防局指令課は確認する必要があるのではないでしょうか。



問6)   Jアラートに対する防災危機管理局と消防局指令課との連携はどのようになっているのでしょうか。連携が不十分となれば、スイッチを切り忘れた個人のミスと言う事よりも、制度的組織的な対応に隙間があったと言うべきではないでしょうか。



問7)   放送設備に責任を持つ防災危機管理局の点検に、緊急放送に責任を持つ消防局指令課が立ち会う、つまり複数の目で、しかも役職的高さや複数の担当者の違う目で見る、対応する事が必要ではありませんか。



問8)   平常時に訓練放送が誤って放送されたことは、非常時に緊急放送が誤って放送されないことと同じ手順ではないかと思いますが、どのようにお考えですか。



問9)   防災行政無線は聞き取りにくいとの住民の声が多くあります。考えてみれば防災行政放送で内容を正確に伝達することは土台無理な事のようにも思います。
 先般も台風襲来での防災放送が頻繁に行われました。昨年冬の積雪による断水及び給水の連絡のための防災放送では市民の皆様が寒さのために家に閉じこもった状況で、防災放送が聞こえないとの苦情がございましたが、去る9月4日の放送では、思いがけず天気もさほど悪くはなく、屋外で多くの市民が防災放送を聞き、改めて、内容が聞き取り取り難いと苦情も多くありました。緊急情報の正確な伝達と言う事にどのような対策があるかお尋ねします。


問10)         緊急時はやはりラジオからの情報が有用であると思っていますが、江迎地区を始め、ラジオ電波が入りにくいラジオ難聴地区はほかにも市内に多数あると思いますので、その調査や改善策の検討もお願いしておきたいと思います。
 さて、今まで、8月5日に誤った防災行政無線の放送がなされたことを中心に質問をしてきましたが、その誤りにより見えてくるものがあります。一担当職員のミスの様で、実は組織や体制にその誤りの芽が潜んでいるのではないかと言う事です。
 平成24年8月の機構改革により、消防局内の防災対策課が市長部局の防災危機管理局となったと聞きました。その時に1名増員して、現在、7名体制ということです。消防局と組織が別になったことで、大きな器での人員の融通ができなくなり、一部に過度の業務がのしかかっていると言う事はないでしょうか。
 防災危機管理局は、災害から市民を守ることの中心となる部署です。「間違いました」ということが、もしかしたら、市民の生命にかかわる事態を生じさせる可能性もあります。
とはいえ、防災危機管理局の職員だけで本市の災害対策ができるとは思っておりません。やはり、消防局はもちろんのこと、市役所のほかの部署が協力・連携して災害対策を行ってこそ、佐世保市民の安全が確保されるものと考えます。最終責任者は市長であります。市長のご所見を伺います。

2016年11月21日月曜日

溝蓋議員と言う言葉がありますが




ミゾブタ議員という言葉があります。地域の道路側溝に「溝蓋をしなさい」的なことばかりに関心を持つ議員を揶揄する言葉、でしょうか。私は、そう言われても、いいかな、って思っています。
 ここは市の中心部から中山間地域に登る地域。道路が狭隘で、車の離合にも不便で、子供たちの通学道路ともなっています。一部には近隣の住民が木で応急に溝蓋を作っています。腐朽し踏み込んだら怪我はもちろん、事故につながります。
 議員がそれを指摘する、行政がそれを放置すれば事故発生に際し責任が問われます。すぐに対応していただき、このほど作業が完了しました。
 些細なことでも、と言うよりも、些細なことほど、重要な気がする、今日この頃です。




2016年10月21日金曜日

「農事組合法人りぞねっと」の米粉について 山形県真室川町

 山形県最上郡真室川町の「農事組合法人りぞねっと」を訪問し、代表理事齋藤孝幸氏と面談を行なった。「農事組合法人りぞねっと」は、国内産原料玄米から米粉製品をつくる一貫した製造後術と生産設備を有するコメの製粉加工メーカーである。平成18年、22年と二期に渡り総工費22,000万円をかけ施設、設備を整備しているが、その半額は国の補助によっている。


  米粉の研修を企画した意図は2018年産よりいわゆる減反政策の廃止が決定しており、今後の稲作のあり方についての展望を得たいがためである。基幹的農業従事者は200万人を切る状況となり、さらに高齢化が進んでいる。コメ生産は95%が兼業農家に支えられ、しかも高齢化の次の世代が兼業農家として米作を維持するかは、地域の現状を見ると厳しい状況である。つまり今後地域の水田が大量に作付されない状況が予想される。

 そうした農地は荒廃が進まないよう認定農業者や法人などに集約されることが必要である。集約された農地には転作作目が作付されるが、例えば大豆などの畑作作目は作業効率を高めるためにあえて水田を、勾配をつけてでも大面積の畑に改良するなどが、一部では行われている。しかし昨今の台風災害における畑地の土壌流出被害を見た時、作業効率向上の反面、国土保全の観点からの水田の機能を活かすことが重要である。

そこで今後兼業農家から吐き出されてくるかもしれない耕作放棄水田を活かすために、飼料米とともに米粉用米が必要ではないかとの考えの元、コメの大規模生産をするとともに、遊休農地の借り受けを行い、さらに米粉生産を行う「農事組合法人りぞねっと」への研修を行った。

 米を主食ご飯の米として大規模に効率的に生産すれば、価格の低下や過剰在庫の問題を引き起こす。ごはん以外の用途が必要である。

国内での穀物消費はご飯・パン・麺がそれぞれ三分の一ずつとなっている。米の消費を拡大するにはこの米の副食化やパン・麺へ用途を拡大することが必要である。つまり食の多様化への対応である。それが米粉であり、「卵・牛乳・小麦」は三大アレルゲンともなっておりグリテンフリーで、健康志向にも沿い将来的に有望である。ただ麺に加工する場合の「つなぎ」などのノウハウ。パンにする場合の日持ちの問題、さらに価格の問題と課題は多くすぐさま米を米粉にすれば問題は一気に解決すると言う事でもないようだ。今後は米粉の加工技術もさらに向上が求められる。

米粉こそ救世主、と思いつつも、現地調査を行ってみると、難しさがひしひしと伝わる。何事も一朝一夕には進まない。

2016年9月30日金曜日

議会費削減の取り組みについて(政務活動費の廃止等)

 視察した泉南市は人口62,500人、一般会計予算が234億円の市である。一般会計総収入に市税収入が占める割合が37.4%(佐世保市24。3%)、地方交付税が10.9%(同23.4%)となっており、自主財源が比較的に多い都市近郊の自治体である。関西国際空港の整備に伴い活況とその後の停滞があったようで、その際には財政も悪化し、視察時点での説明では、「一時の危機的状況を脱出したものの」と言う状況である。


 そうした中、まず第一弾として平成25年7月1日から平成29年10月の任期満了まで、議長・副議長・議員の報酬を6%減額する事とした。ちなみに市長は10%、副市長9%、教育長5%を平成24年4月1日から平成29年3月31日まで、給与減額を行っている。また政務活動費についても同時期に月額5万円から3万円へ、減額している。

 更に平成28年8月1日施行より議長513,000円(570,000円から6%減で538,000円、それをさらに減額と言う事)、副議長468,000円(同様に520,000488,000)、議員450,000円(500,000470,000)へ一時的ではなく恒久的に減額し、同時に政務活動費の制度そのものを廃止した。


 報酬6%削減における効果を2947万、政務活動費減額の効果を1440万円、とし、さらなる減額においては平成28年8月から平成32年10月までを試算し、報酬減額・政務活動費廃止により95,325,600円の効果としている。

 議長及び議運委員長の説明によれば、例えば学校へのエアコンの設置などの議会からの意見に対し行政側は財源がないなどに終始するために、先に議会が身を切ることによって政策の実現を迫ったという背景もあるようである。また第二弾の削減(政務活動費の廃止など)においては、この議案を提案したものの、通るとは思わなかった、との本音も語られた。


 さて、議員にとって報酬とは何であろうとの、永遠のテーマにつきあたる。限りなくゼロに近づける事を良しとするならば、議会経費は根本的には無駄な費用と言う事が前提になるのではないだろうか。私企業においてもガバナンスは強化する方向が趨勢である。ましてや税金・公金である。単年度あるいは数年度では経費削減としてとらえることができても、ガバナンスが強化されるという事が、長い目では健全で永続的で民主的ある。まして議会のガバナンスが欠如することによる失政や判断間違いで財政が危殆に瀕するという事で議会が責任を負うのは理解できるが、安易な削減は自己否定のような気がしないでもない。


 ここは議員としてのそれぞれの考え方である。私は当選した時の報酬等制度を一つの基準として、失政の一員である、あるいは社会経済状況の変化などにおいては減額も有り得ると考える。また一方、報酬が下がれば議員の生活ができない、若者が議員になれない、との意見には反対である。職業選択は自由である。第一に生活ができる職業を他に求めるべきである。貧しさや豊かさよりも使命感が勝るというのが若い政治を志す者の意義であり、自分の生活を考えるならば、でなければよいだけの事で、公に議論する必要もない。増額は、何か画期的事が生じ、増額する必要が生じない限り、増額する必要はない。


 「職業としての政治」と言うマックス・ウェーバーの本がある。職業政治家には二通りあり、それは「政治によって生きる方法」と「政治のために生きる」方法と述べている。一見「政治のために生きる」方法は美しい。ただし、では何によって生活をするのかという問題がある。職業としての政治、要するにプロの政治家である。小さな町や村の財政規模・行政活動に置いて、潤沢に生活ができるプロの政治家としての議員が必要かどうか、おのずと答えは出る。国のように大きくなれば、やはりプロが必要である。では佐世保市の市政においてはどうか。月額58万ほど、当然税金が引かれ、手取りは少なくなる。自分はプロの政治家である、プロとしてもっと報酬が必要である、要はそう言えるかどうかの問題である。


 政務活動費は月額5万円、会派によって管理されている。書籍やインターネットで調べた文献をプリントする費用などは政務活動費で当てられることは大変ありがたい事で、私はこれで一般質問をすることができている。更に会派などで行う行政視察はとても意義がある。

 議員報酬や政務活動費の問題、それは議員一人一人の哲学の問題である。

2016年7月27日水曜日

文教厚生委員会視察報告 28年7月 ③


岡山県岡山市



 AAA(アクティブ・エイジレス・アドバンスト)シティ岡山

〜岡山型持続可能な社会経済モデル構築総合特区〜



  岡山市では「高齢者が、介護が必要になっても慣れた地域で安心して暮らすことができる社会の構築」を基本コンセプトに平成25年2月に総合特区としての国の指定を受けた。在宅に特化した規制緩和等を11項目、国に提案している。その中心的な考えは、例えば要介護度3でデイサービスを利用し始め、それが要介護度4、さらに施設での介護へと進む従来の状況に対し、逆に要介護度3からデイサービスの利用によって要介護度1へと改善した場合、その改善にインセンティブを与えてはどうかというものである。しかし介護保険制度自体を変えることに国はたとえ特区ということでも良しとしなかった。

  そこで岡山市はデイサービス業者の評価システムを構築し、その評価に基づき奨励金を付与することにした。「デイサービス改善インセンティブ事業」として取り組まれ、平成27年度で153事業者が参加し、72事業所が指標を達成している。市のこの事業への予算は100万円で、上位12業者へ8万円(8万円×12業者=96万円)の報奨金が支払われた。

  ただこれは介護保険制度の変更ではなく特区としなければ取り組まれなかったことではない。岡山市としては国の仕組みを変えることができない中での、漸進策であったようである。その他では先進的な介護機器が利用できること、介護のポイント制、医療法人による配食サービスなどが取り組まれている。この中でポイント制は、要介護・要支援認定を受けていた方が、状態の改善により「非該当」となった方々が対象で、岡山市の場合その数が約5,500人、そのうち登録者が30名と言うことで、これも国に対し岡山市の意向を通すことができず、対象者が極力限定される制度設計がなされたためである。医療法人による配食も、その医療機関が直営では給食を運営していることが前提となっており、実数としての利用はごくわずかこの事である。

  全体的に特区として改善したいという岡山市の思いが、国の分厚い壁に跳ね返され、特区では無くても出来る事の範囲に抑え込まれた様な感じを受けた。それでも「介護サービス質の評価先行自治体検討協議会」を全国的に組織し、平成28年10月20日には岡山市において第3回の協議会が開催され、厚生労働省への政策提言がなされている。


2016年7月26日火曜日

文教厚生委員会視察報告 28年7月 ②

大阪府堺市



   子ども食堂モデル事業について



  堺市では家庭的な環境の中で食事をする機会の少ない子どもに対して、食事と居場所を提供する「子ども食堂」をモデル的に開催する事となり、まさに視察研修の前日の7月20日、第1回目が開催されている。メニューはカレーライス、11:30~13:30の時間帯で行われ、就学前38名、小学生8名、大人33名、合計79名の参加となっている。ただ貧困家庭という意味においては、その参加者は1割にも達していないのではないのかということであった。

  本来「子ども食堂」は子どもの貧困を背景として毎食きちんと食べることができない環境を強いられている子どもに対し、家庭的な環境で食事を提供する事を目的に、あくまでも民間のボランティアとして始まったものである。行政がどの様にかかわることができるかは、多くの議論を要することである。行政では生活困窮者支援のための事業はすでに存在しており、「子ども食堂」がモデル事業の期間の後、どの様に行われるのか、ただ堺市においては中学校区に1カ所、週に1回程度の開催を目標に、本格的に事業に取り組むとのことであった。

  今回のモデル事業は総額500万円で民間団体に委託され、3カ所月1回を3クルー行うこととなっている。内訳は子ども食堂の運営に300万円、事業報告書作成に200万円となっている。全中学校区にとなれば大きな財政負担となるが、自助、共助、公助の観点からすれば、費用対効果はどうなのかとの疑問は湧いてくる。

  子ども食堂、と言う表現である事により子どもが参加しやすいということではある様だが、本来こうした活動の必要な子どもの参加が少なく、子どもの貧困問題への明快な処方箋はない。私自身この「子ども食堂」をすべく検討しているので、行政がやるべきことは、こうした形での直営ではない様にも思える。行政でしかできないこと、行政の力添えがあればより効果的にできること、そうした事を検討していきたい。

2016年7月25日月曜日

文教厚生委員会視察報告 28年7月

福井県越前市
  児童養護施設「一陽」について

  武生市(合併により越前市)直営の児童養護施設の民営化方針を受け、指定管理者指定による経営を経て、その後、児童養護施設一陽が新設され事業がスタートした。市直営においては年間8000万円の市財政の負担が生じており、それが民営化検討の契機であるが、市直営児童養護施設で働く現場スタッフが社会福祉法人を設立し、市施設の指定管理から、独自の施設開設へと発展し、完全な民間の施設となっている。

  施設はRC3階建、敷地面積1298.99㎡、床面積1353.36㎡、施設定員40名、小舎ユニット制で常勤職員32名、非常勤職員6名で運営されている。職員は保育士や児童指導、心理療法などの専門知識を学んだ資格者で、さらにマネジメント能力が日常において育まれている。給与は全てオープンにしてあり、職員の採用は現場のスタッフが行うなど現場スタッフの働き安さが随所において探求されている。職場としての健全性を向上させる仕組み、スタッフのモチベーションを高める仕組みが、この施設の特徴である。

  こうした事から一陽は単なる児童養護施設に止まらず福祉のプロ集団として越前市の福祉施策も担っている。例えば生活困窮者支援事業また子育て支援事業を市から委託され、引きこもり学習支援などの活動を行っている。中でも「ブックスタート事業」はその事業を利用しない5%程の家庭を徹底訪問し、むしろこうした家庭こそ虐待やネグレクトなどの芽があるとの考えのもと事業展開されている。

  また市内の中学生に「赤ちゃんをだっこさせる事業」を他団体と共同して行い、命の大切さ、健全な母性の涵養が図られている。たくさんの母親と赤ちゃんを集める、これも容易なことではなく、一陽の活動が先行し市の福祉子育て政策を力強く牽引しているとさえ言える様である。

2016年7月8日金曜日

今時就活事情②

 どうにか、長男長女のW就活、終了の様である。これまでの高校や大学の受験に比しても、人生の大きな山であった。悲喜交々、筆記試験はクリアできても、なかなか数回の面接を突破し続ける事は難しい。社会に出るに際し改めて自己を見つめ、仕事観、を構築する。こんなことは二度としたくない、それが世の就活生のほとんどの気持ちだろう。親としても見るに、聞くに忍びない。ただ、振り替えればこの道、経験しなければならない道であったと思える。
 例えば「軸」がなければならない。金融を受け、商社を受け、メーカーを受ける、これはどこにも落ちるパターン。なぜを繰り返し、軸を鍛錬し強固にゆるぎないものにすることで、その軸が将来を切り開いていく。なぜこの会社か、そこでどんな仕事をしたいのか、それは何故か、それを繰り返す。軸と言う志を鍛えるのである。

2016年6月1日水曜日

今時就職事情


わが家にも二人の就活生がいる。長男は東京の私立大工学部4年、長女は地方国立大経済学部4年である。

 地方の大学は、生活費(特に住居費)は安く済むが、就活費用は交通費、滞在費などは日常の大学生活にプラスαして、随分とかかる。東京の大学であれば、就活も日常生活の延長に過ぎない。

 就職試験はSPI試験という統一した制度がある。希望の会社にエントリーし(エントリーシートを出す)、IDなどを得てSPI試験を受けるのだが、この結果は他の企業を受ける際にも使いまわしができる。結果は公表されないが、何回も受けることができる。しかし結果は常に上書きされ、前に受けた方の点数が良さそうである、となっても最新のものが結果となる。長男は就活に入った冒頭に、希望する会社と同じくらいの難易度の他の会社にエントリーしSPIを受け、そこを通過することでSPI試験の結果を判断し、希望の職種・企業で、試験を通過し、本日6が1日より、面接の開始である。

 今日は3社の面接があり、これが数日続くのだが、1次面接に通れば2次面接となり、それが他の企業と重複する様になり、どちらを取るか、運命の選択が日々続くようである。

 長女は数社エントリーし、その都度試験を受け、何社か面談をし、いよいよ面接が始まる。しかし、6月1日の就職解禁日の今日は大学の中間試験、らしい。

 地方国立大学と東京の大学における就活へのエネルギーの差を感じる。また情報量にも大きな違いがあるようだ。と、考えると、東京の大学の方が、人生と言う時間軸で考えると、コストパフォーマンスがいい様である。

 地方の大学が生き残る道、を考えてみる。まずはその地域の公務員、金融機関、地方有力企業、それらへの就職の道を確立する。そして長期留学経験者を増やし、大手企業に対してはその海外展開の人材となることで、都市部大学に伍していかなければならない。

 子供のおかげで、大学入試の事、そして今は就活事情、いろいろと勉強になる。

2016年5月15日日曜日

1年生議員の1年④


 1年に4回開催される議会の4回目、3月議会における一般質問です。今回のテーマは、次のような内容(通告書)で行いました。

1 森林政策について

本市森林政策の現状と今後の展望について問う。
2 行財政改革について

施設適正配置計画、保全計画の作成状況について問う。
 定員管理のあり方及び現状について問う。
 ぜひ議会中継動画をご視聴ください。



まず林業行政について、概略ご説明いたします。

林業行政の体系は、国:全国森林計画―県:地域森林計画―市町村:森林整備計画となっています。市の林業整備計画に基づいて、市は所有者からの森林経営計画を認定し、計画的に森林の整備を進めると同時に、また市は自らも森林(市有林)の所有者でもあります。論点の第一は市有林の整備が進まず、朽ち果てようとしていることです。これは森林組合との業務委託の手法を取り入れて、これまでの数倍の規模で整備を進めるとの答弁を得ました。

また戦後の拡大造林政策により植林された森林資源が今、伐採期:収穫期を迎えています。今後伐採と植林などの政策を進め、更にCO2吸収など環境的な側面からも森林を多面的に活用する方向に国の政策は動いているのですが、それに連動する市の林業行政があるのかを質しました。と言いますのも、市有林の整備が市の取り組み不足で遅滞していたと言う事実があります。そこで行政の力が足りないのであれば行政を大きくするのではなく森林組合と言う民間を活用し、国の政策を十分に活用できる方法を考えるべきであると、主張しました。つまりは、佐世保、北松、松浦、3森林組合の合併による経営体力強化の提言です。県北の広域にわたる産業振興の観点からも、森林組合の合併について市長がリーダーシップを発揮するという回答を得ました。

次の行革については、施設を切り口とした行革が停滞していることの指摘、また定数管理、労働組合との交渉の透明化などについて質問を行いました。

2016年5月3日火曜日

1年生議員の1年③

 12月議会での一般質問は9月議会での一般質問に引き続き、「行政改革と受益者負担」をテーマに行いました。これは受益者負担増の問題について議論を進めれば「行財政改革の一環としての受益者負担増」と言う論点での議論となり、では佐世保市における行革とは何ぞや、と言う事に論点を展開した次第です。ポイントは、果たしてこれは「行財政改革」のひとつなのか、単なる「利用料金の値上げ」による増収策ではないのか、と言う事です。
 行革とは何か。行革の目的は大きく2つあります。一つは社会の変革に合わせるための行革、そして今一つは経費節減のための行革です。
その方法は大きく分けて3つあります。
1.行政の仕組み、組織、定員などを改めて、行政の機能を向上させ、効果的効率的なものにすること。
2.行政手続法、情報公開法、政策評価などを導入し、行政を透明化、公正化すること。
3.行政の対象範囲を変更する、すなわち行政のやるべきことを、役割を見直し、特に縮小すること。
 これらを本市においては「公共施設の整理」から進めていこうというのが、基本的な考えで、この考えを整理し体系づけるために1億円近くをコンサルに支払い、制度設計をしています。公共施設は「ひと・もの・かね」の集積ですから、ここを整理しなければ行革はできません。単なる人員削減はブラック企業化の元になるだけです。
 ところがこの改革が停滞してしまいました。本来公共施設を流動化(処分・現金化)・保全長寿命化に仕分けし、保全長寿命化された公共施設において受益者負担の観点から利用料を設定する、と言う流れでした。改革の後に増収策がある訳です。改革の停滞と共に、安易な増収策が図られ、増収策が先行しました。改革は、今どの辺を進行しているのか、今後の一般質問で明らかにしていきます。
 ぜひ、中継動画を、ご覧になってください。
http://www.sasebo-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=761

 「行財政改革」を問う
 ○ 施設白書策定の経緯及び活用について問う。
 ○ 資産活用基本方針の策定経緯及び活用について問う。
 ○ 公共施設適正配置計画の策定状況について問う。
 ○ 公共施設マネジメントにおける民間活力導入について問う。


2016年4月30日土曜日

1年生議員の1年②


当選後2回目の議会となる9月議会においては、下記の通告書により、一問一答方式で一般質問を行いました。一般質問のやり方には「一括方式」と「一問一答方式(一回目から)」「一問一答方式(二回目から)」の方法があります。

一般質問には議員一人15分の持ち時間があり、会派で集計します。私が属する緑政クラブは8名の最大議員数で、15分×8人=120分が会派に与えられる持ち時間です。全員が毎回一般質問をするのではありませんので、その議員分が一般質問をする議員の持ち分15分に上乗せされ、20~30分の時間で一般質問を行います。共産党は1人会派ですので、毎回15分の一般質問をされます。私は最大会派の恩恵で毎回、時間の余りを頂き、一般質問をすることができます。2年目の今年も、毎回やろうと思っています。

「一括方式」は、冒頭に一括して質問を行い、市当局の答弁を得て再質問、再々質問を行います。質問回数は冒頭・再・再々の3回と決められています。市当局とのすり合わせができますので、一定の政策提言をして、それを市当局に認識・採択させる場合などには効果的です。一方「一問一答方式」は質問力、質問の技術が問われます。質問は何回でもでき、深く掘り下げることができます。その分市当局とのすり合わせが難しく、真剣勝負の緊張感があります。

この一問一答方式で、真剣勝負を挑みました。動画をぜひご覧下さい。



テーマ

公共施設等の利用者負担の考え方について

○ 意思決定と執行のあり方について問う。

 公民館活動と受益者負担の考え方について問う。

 公会計における減価償却費の考えについて問う。



 これは初当選後暫くして地元江迎町の地区協議会にオブザーバーとして出席した折、市本庁からの説明職員が、公共施設の利用者負担金を上げる旨の説明を滔々と、当然の如く行っていることに、端を発しています。私はその際

「6月の議会において委員会や本会議で公共施設の値上げが審議されたり、議決されたりはしなかったが、どのような根拠で、そのような話をしているのか」と質問したところ

「議会において、何回となく協議をしている」、概略そうした答えでした。

 私はその後先輩議員に確認するも、らしき話はあったがそのような事は決まっていない、とのことでした。そこで上記テーマでの質問となった次第です。



 本年4月から、受益者負担として何もかもが料金徴収となり、事務は煩雑化しているようで、いろいろな課題が浮き彫りになっている様です。文教厚生委員会において見直し規定を議決していますので、改善すべき点はこれから、改善しなければならないと思います。

2016年4月28日木曜日

1年議員の1年①


27年6月議会 初めての一般質問
動画がご覧いただけます。

主な内容
1 佐世保市総合戦略策定に向けた取りまとめの状況について

第6次佐世保市総合計画をより具体的に、今般の総合戦略に組み込むことが肝要であると考えるが、これまでのスケジュール説明では、この6、7月は「それぞれの主体でできることを探す」「他者との連携でできることを探す、連携の仕組みを検討」となっている。その現状を問うものである。



2 産業連関表「佐世保版」の作成について

地域の産業構造を知るツールとして総合戦略の策定にあわせて、産業連関表の作成に取り組む地域もあるようだが、総合戦略の立案・策定、さらに成果の検討など、今後においても産業連関表「佐世保版」が必要ではないか、本市における取り組みを問うものである。



3 大規模法人農業の誘致、育成について

企業誘致としてこれまでの機械・技術などの工業系から幅を広げ、6次産業化により波及効果の拡大も期待できる大規模法人農業の誘致、育成を図ることはできないか。

本市における大規模法人農業の実態と課題をどのように認識するか。「中核市になる」とは圏域全体の発展を牽引する中心的な役割を担う、ということであるが、特に産業政策において具体的にどのようなことが考えられるか。圏域の共通項は「農」であり、大規模法人農業の誘致をきっかけとして、西九州道が延伸し、四通八達の地の利を得、平戸市、松浦市と接するこの圏域に農業・農産加工・食料など「食の安全」などをキーワードとした産業集積を図り、圏域の発展を牽引してはどうかと考えるが、当局の考えを問う。



これが、初当選第1回目の6月議会における一般質問である。

1の地方創生の総合戦略関係は、今年度具体的に動き出さなければならない。地方の独自性、創意工夫と言われているものの、中央から提示される政策パッケージの表装し直しの感がしないでもない。地方創生の加速化交付金に対しどのように取り組まれたのか、今度の6月議会における一般質問のテーマである。

2の産業連関表の作成は、コスト的に対応できないという事であった。ただ現在地方経済分析システム(リーサス:regional economy and society analyzing system)が国から提供されており、その分析スキルがどのように熟練されているか気になるところであり、これも6月一般質問で確認したい。

3の中核市に伴う圏域連携、特に農をテーマとしたグランドデザインは、これから大きなうねりにしていかなければならない。仕込み中である。

2016年4月11日月曜日

市政報告:吉井地区公民館等について



この画像は打ち合わせのためのイメージ図とされています。大まかこうした間取りで検討が進められています。「吉井地区公民館・福井洞窟ガイダンス施設整備事業」として進められ、4000万円ほどの予算がつき、今年度建物基本設計などが行われます。

 29年度に実施設計、30年度から建築工事に入ります。現在の公民館を中心にこうした行政施設が集約され、便利になるようには思いますが、吉井地区の住民の皆様方は、いかがお考えでしょうか。

2016年3月28日月曜日

長崎新幹線のお話 終わり

佐世保線の輸送改善について
 表定速度と言う概念がある。途中駅での停車時間も含めた平均速度のことで、博多〜大分間は時速89キロメール、対してJR佐世保線では時速52キロメールとなっている。なぜそんなに遅いのかと言うこと、次の理由がある。
 •曲線通過時の速度制限  半径600メートル未満の割合が武雄温泉〜有田駅間で21%、有田駅〜早岐駅で32%、早岐駅〜佐世保駅で48%となっている。
 •縦断勾配、要するに高低差。武雄温泉駅〜有田駅では10%超が57%、15%超が
35%、20%超が18%となっている。
   輸送改善=高速化を図るためには、曲線を改良したり、カント修正(外側の線路を高くする)、また振子機能(曲線通過時に車体を傾斜させる)付きの車両を導入すると言う方法が一つ。次に枕木をPC(プレストコンクリート)枕木にする。しかも高速になるにつれ枕木間を密にしなければならない。また佐世保線では全通過駅で行き違い可能になっているが、それを一線スルー化にするなどの改良改善が必要である。
 現在特急みどりは最高速度時速95キロメールで走行しているが、上記の改良などを行い最高速度を110キロメールで走れる様にすると、博多〜佐世保間、5分ほど時間短縮が出来る。特急かもめの様に振子機能がある車両を導入し最大限の高速化を行い最高速度時速130キロメールを実現しても時間短縮効果は11分前後とされている。
  FGトレインが佐世保線に導入された場合、どの位の時間短縮ができるのか、そのための費用はどの程度必要なのか、いわゆる費用対効果、4月中旬には報告書ができる様である。
  その際はまたご報告いたします。

2016年3月26日土曜日

長崎新幹線のお話④

 平成34年にフル規格で長崎ー武雄温泉間が完成する。この間は新幹線が運行する。武雄温泉駅で在来の特急に乗り換えて博多へ行くこととなる。FGトレインが平成34年の中旬、2編(8輌で1編)、順調に行けば完成する。FGトレインは武雄温泉駅から在来線に乗って、博多まで行く。九州新幹線の新鳥栖駅にアプローチできるのは平成36年になる。その頃にはFGトレインも量産され、長崎を出たFGトレインは武雄温泉駅で軌道を変え在来線に乗り、在来線を走り、新鳥栖駅で軌道を変え九州新幹線に乗って博多へ行くことになる。現状においては、平成36年の完成形でも2回軌道を変えなければ博多まで行くことはできないのである。完成形において、長崎新幹線、長崎博多間は1時間20分、現行在来特急に比べ28分短縮される。
 ビミョー、ってな感じである。

2016年3月24日木曜日

新幹線の話 番外政界周辺人物遍

 新幹線など巨大なプロジェクトが動き出す時、利権をめぐりドラマが繰り広げられる。新幹線早岐近接ルートの際には某代議士系が土地を買いあさったという噂が流れた。また上五島洋上備蓄基地の建設に際しても、別の某代議士系の地上げが噂された。
 五島出身で福田派所属議員秘書の経歴を持つS不動産会社M社長は、まずこの上五島洋上備蓄基地の頃から、その世界で名を馳せる事となる。その後長崎新幹線が膠着状況に陥ったさなか、新幹線の長崎駅に予定されていた場所にプリンスホテルを建てた。S社長は最盛期には住専から4000億の資金を引き出したと言われたが、バブルがはじけ、プリンスホテルも手放し、世の喧騒から少しずつその名前が消えて行った。
 ところが何と、2007年、朝鮮総連本部ビル売却問題で登場する事となる。詐欺容疑で逮捕されたのだが、一緒に逮捕された緒方重威は何と元公安調査庁長官、である。そのニュースを見たとき、このM社長って、あのM社長かな、とにわかに信じがたく、しかし、あのM社長なのである。大物さが、初めて分かった次第である。
 リレー方式とは、長崎から新幹線に乗って、武雄温泉で在来線に乗り換えて、博多に行くという事で、あまり心が弾まない。取りえずフル規格の長崎ー武雄温泉間は線路を内側に一本加えて、在来特急を走らせた方が、乗り換えなしで便利なような気がする。ましてほとんど高速バスを利用している、価格差はどうなるのだろう。
  県の職員が長崎新幹線にまつわる情報を建設会社社長に漏らし、捕まった。もらった金額は72万円である。
 話が、小さくなってしまった。

2016年3月22日火曜日

長崎新幹線のお話③

決して密約と言う事ではなく、佐世保市にもそれなりの文章が残され、「むつ」の修理引き受けとリンクして、長崎新幹線が現実味を帯びてきたのは間違いない。時系列には昭和48年11月10日九州新幹線西九州ルート路線決定、昭和50年、むつ受入れ打診、昭和53年10月16日、むつ受入れ、となっている。
 昭和60年1月22日、一般的にアセスルートと呼ばれる佐世保市早岐駅に近接するルートが発表された。しかし昭和62年4月には国鉄はJRへ変わり、より採算性が問われるようになった。長崎新幹線は膠着状態に陥り、遂に平成4年12月5日、アセスルート(佐世保よりルート)を断念する旨の知事・市長共同声明が出されることとなった。
 佐世保市議会には知らされることも無かったことから、市議会は市長に対し問責決議を可決し、さらに議長が辞職する事となった。その後佐世保市議会は県全体の発展と言う観点から「苦渋の決断」をし、短絡ルートを受け入れ、それを進める中で、佐世保線の輸送改善に取り組むこととし、また県においても「九州新幹線等の整備に関する基本的考え方」を平成4年11月24日に示し、県議会全員協議会においても了承されている。
 以上の様な経緯で、長崎新幹線については、何か事が動けば、当然に佐世保市に言うべきである、と言うのが佐世保市の基本的な考えなのである。
 その長崎新幹線、今どんな話になっているのか、佐世保線の輸送改善って何、と言う事であが、話があまり盛り上がらないのは、何となく、分かります。
つづく

2016年3月20日日曜日

長崎新幹線のお話②

 昭和48年11月10日、九州新幹線西九州ルートの路線決定が行われた。ただ路線決定したからと言ってトントンと進むのではなく、新幹線は時には平然と昭和の三大バカ査定(戦艦ヤマト・伊勢湾干拓・青函トンネル)に類して表現されるなど、すんなりとはいかない。そこで、知恵が絞られる。
 昭和50年、原子力船むつが放射能漏れを起こし、修理を受け入れる港がなく、洋上を漂流することになった。それを受け入れるところは、すでに米軍の原子力艦艇が入るなど核アレルギーが少なく、放射能監視体制があり、修理機能を備えた造船所があることなどから、佐世保市しかない、と言う事になった。そこに登場するのは、辻一三佐世保市長、久保勘一長崎県知事、松田九郎県議会議長、三木武夫首相、自民党河本政調会長など。こういう時は
「何してもらえば、何する事は、政治の務めですから」とか
「何が、何せん時は、何しますから」とか
「そうそう、あなたの言う通り、僕の思う通り」何ぞと会話しながら、政治的な妥協が図られる。
 昭和51年2月10日、三木総理大臣から久保知事、辻市長に対し、佐世保港での「むつ」修理について要請がなされた。その後三木首相はむつの見返りは十分検討すると語り、久保知事が河本政調会長にむつ見返りは長崎新幹線の即時着工であるとの念押しを行うなどし、核封印方式など知恵が絞られ、昭和53年10月16日、むつは受け入れられた。
 三木総理の三木派はその後河本政調会長の河本派となるが、久保知事は知事になる前は三木派の参議院議員、松田九郎県議会議長はそうした流れの中で、その後河本派の代議士となる。河本敏夫は「クリーン三木の濁一点」と時に評された三木派の資金調達係で、大手海運会社三光汽船の実質的オーナー、その後衆議院選挙に際し三光汽船からバルクキャリア船をSSKに大量発注し、松田九郎をSSK丸抱え支援させ、松田九郎の初当選を支えたと、言われた。
つづく

2016年3月19日土曜日

長崎新幹線のお話①


 近頃、佐世保市議会や佐世保市において、長崎新幹線の議論が局地的に沸騰しているように感じる。「局地的」と言う表現が正しいのかどうか、とりあえず内容を良く知ることが第一である。
 都会から故郷へ帰る者は、まず新幹線に乗って、故郷へ近づくにつれ、乗り換える乗り物はスピードが落ち、地域的な交通手段で到着する。平成34年には、何と長崎から新幹線に乗って、武雄温泉で在来に乗り換え、博多でまた新幹線に乗り換える事になる。これは人々の生活が便利になることかなのか、普通に考えれば普通の答えが返ってくる。だから一部で盛り上がったような議論が一部関係者の間でしか、盛り上がらない。
 一部関係者には佐世保市も含まれる。FGT(フリーゲージトレイン)、いわば複数の軌道幅に合わせることができる新幹線、が完成しない事で、リレー方式とか騒がれ始めた。そうした事が国土交通省から発表され、説明されるのだが、長崎県、長崎市、そして沿線の大村、諫早、さらには島原半島の自治体には説明会の声がかかるのだが、その席に佐世保市は呼ばれていない。
 「何でや」となる。
 「お前たちは(誰の事かはさておき)、誰のおかげで、新幹線が、長崎に来るごとなったか、分かとっとか」と言う事である。
 「いっちょん分かっとらん」となり、何でも不手際を知事が詫びに来るらしいとか、佐世保市や議会の幹部が集まるらしいとか、ひそひそ話が、もわっとしている。
 一年生議員の僕は、それはどういうことなのだろうと、改めて知る事から始め、大方の内容を理解した時、さて、
 「どうっちゃならん!」と怒りがこみあげてくるのかどうか・・・・ 
   つづく

2016年2月12日金曜日

行政視察 文教厚生委員会

「小中一貫教育 施設分離型5・4制の事例 京都市」

京都市ではかつて200校ほどあった市立小学校、が現在166校となっている。少子化が進む最中の2006年、3小学校の統合話が持ち上がり、保護者や地域の要望の中から5・4制が浮上した。京都市では明治維新を経て学制により義務教育が開始される以前から、町衆が資金を出し合い学校を作ってきた歴史がある。そもそも教育に熱心な土地柄でもあるようだ。自分たちの地域から小学校が無くなることに対する反対に始まり、統合するなら他の地域に誇れるような学校を、と議論は熟成され、開校準備に5年をかけ、保護者のみならず地域を巻き込んだ協議は100回を超え、5・4制の小中一貫教育が実現した。
 そもそも6・3制に合理的な理由はない。むしろ小5・6年には思春期・反抗期が始まり学級崩壊などの問題が引き起こされる。また中学校で環境の変化に対応できない中1ギャップの問題もある。
そこで東山泉小学校の5・4制による小中一貫教育は、土地などの制約もあり、1-5年を西学舎、6-9(中3)東学舎に収める施設分離型としてスタートした。両校者の距離は750メートル程ある。
 京都市内にはすでに施設一体型の小中一貫教育が4・3・2制で行われてもいる。その他にも幼稚園―大学に至る私立の一貫教育や、国立・県立による中高一貫教育もある。ある意味教育の競争激戦地域である。
ご説明をいただいた村岡校長先生に
 「土地の制約から5・4制での施設分離型小中一貫教育ではあるが、もしそうした制約がなければ施設一体型の4・3・2制による小中一貫教育がより良いとお考えですか」とお尋ねしたところ、
 「その方がより理想です」との事であった。この議論の本質は、現状を固定的に考えない事、より良い制度に向かって変化を恐れない事、子供の教育により大事な事は何かという事が原点である事、では無いかと思う。
佐世保市立広田小中学校の施設分離型5・4制が単なる過大校の解消対策に終わる事なく、今後の佐世保市教育行政の先駆的取り組みとして、他の小中学校へも良い事例を示すものであるよう、今後とも行政の監視及び提言活動に取り組みたい。



「小中一貫教育 施設分離型4・3・2制 兵庫県小野市」

小野市では「国際社会の中で たくましく活躍できる 心豊かで自立した人づくり」の理念のもと教育に力を入れた市政運営が行われている。
 ・16か年教育
未来のパパママ教育や7か月児教室などマイナス1歳から15歳までを対象として、単なる育児子育て支援のみならず脳科学の知見に基づく子育ての啓発が行われている。
・小中一貫教育
義務教育期間の9年を連続して捉え、学びのつながりを大切にした教育が行われている。
小野市には8小学校4中学校があるが、均等に2小1中という組み合わせではなく1小1中、3小1中など、通学区地域の状況によって異なる。であるから施設は統合されたりするのではなく既存の小中学校の分離された施設において、小中一貫教育の理念に基づいて行われている。特に東北大学教授川島隆太氏が提唱される「脳科学と教育」の手法を導入し、「10歳の飛躍」と言われる脳が大きく成長する小5から中1かけて教科担任制などを取り入れ学びの充実化が図られている。また中1ギャップの言葉にある心の思春期:反抗期の乗り越えがスムーズに行くように取り組まれている。
 また小野市独自の学力検定「おの検定」が、市教委じたいで採点をするなど市をあげて実施されている。
 小中一貫教育を始めとしたこれらの施策は、教育特区としては取り組まれておらず、あくまでも国の施策の中で運営を独自に工夫し、子供のためにより良い教育はどうあるべきか、という事で、主体的に模索されている。佐世保市の広田小中学校での5・4制も単なる施設の問題としてではなく、施設の狭小によって表面化したいろいろな問題を可能性の広がりに変えて、主体的に取り組む必要があり、今後の教育行政のあり方を注視しなければと思う。少子化は今後さらに進む事が予想され、地域の特性を活かしながら小中一貫教育について研究を深め実践試行する事が必要であり、そのための教育凝視の監視及び提言活動に努めたい。



市立吹田市民病院の地方独立行政法人について
 佐世保市立総合病院が独立行政法人「佐世保市総合医療センター」なることに伴い
 地方独立行政法人化が求められる理由は経営の自由度、特に医療環境に即した迅速な経営が求められることに尽きることは、佐世保市、吹田市においても同じである。また独法化した後、赤字が解消される、あるいは市からの資金的持ち出しが縮減される、そうした事が当然要請されるのだが、救急救命をはじめとした不採算医療や政策医療の担い手である以上、独法化によってそれらがすぐさま実現できるわけでもないことは自明である。
 独法化を契機として携わる人たちの意識が改革向上し、不断の経営改善が常態化し、質の高い医療が実現し、医療を求める人にも施す人にも魅力的な医療機関となることが、求められる。吹田市はその途上にあり、佐世保市はこれから独法化する事となる。
 独法化後は、議会の関与は中期目標の議決によるのみで、経営の自由度は増す一方、評価に対する責任は明確になる。利用者の声が議会およびその議員によって反映されるのではなく、直接独法の経営中枢に伝わり、日々経営改善が行われなければならず、その状況をつぶさに監視しなければならないと考える。