2018年9月30日日曜日

イキイキ100歳体操から見る高齢者福祉政策⑤



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ご高齢の方の健康寿命が延伸します。このことにより介護・医療保険は膨張を回避し安定的になることはもちろんですが、この総合事業は元気な高齢者が支える側に回ると言う野心的な取組みであり、その仕組みづくりに生活支援コーディネーターと言う制度が設けられています。



問6
その活動に生活支援コーディネーターが配置されているが、活動状況、実績などについてご説明下さい。

保健福祉部長回答
生活支援コーディネーターの活動は、昨年度から本格的に始動しており、現在の活動状況としましては、地域の方々と協働して地域の困りごとやニーズを把握し、それに対応できるサービスの発掘や資源開発を行い、ニーズとサービスをマッチングするなど、地域での支え合いづくりを推進する活動を行っております。
これまでの活動実績といたしましては、地域課題の抽出や地域資源の発掘・育成を進めた結果、一部地域においては、ごみ捨て支援など、支え合いによる生活支援サービスが開始されています。
その他、ボランティアとして支え手となっていただく生活支援サポーターを約50名養成し、サポーターの一部は集いの場を新たに立ち上げられるなど、生活支援コーディネーターと連携した活動が行われています。


生活支援コーディネーターは自治協議会単位に配置されると言う事です。自治協議会には健康福祉関係の部会が設置されています。また一方、地域には福祉推進協議会があり、民生委員・児童委員、自治会(町内会・公民館)、老人クラブ、婦人会、小中学校、PTA、育友会、健全育成会などで構成され、その構成からもわかるように地域の情報にも詳しく、地域住民にとってもより身近な相談相手となることができ、潜在している課題の発見も期待できる存在でもあります。それぞれの自治協議会においては、名称は様々ですが協議会内の保健福祉を担う部会と福祉推進協議会の組織のすり合わせに知恵を絞られているようにもお伺いいたします。

問7
 自治協議会における保健福祉関係の部会と福祉推進協議会との関係や地域包括支援センターと生活支援コーディネーターの関係や連携、現場では周知不足や理解不足などの混乱がある様に思うが、どのように現状を分析し整理されているのでしょうか。

保健福祉部長回答
福祉推進協議会は、地域での福祉課題の把握、解決に必要な福祉活動について、構成する組織の方々により協力連携しながら活動いただいております。
本市といたしましては、地区自治協議会の設立により、これまで福祉推進協議会が地域で取り組まれてきた福祉活動については、地区自治協議会と一体となった取り組みが効果的ではないかと考えており、今後、関係者との十分な協議を行ってまいります。
また、各生活支援コーディネーターは、今年度から地区自治協議会27圏域中21圏域に配置されておりますので、今後は、地域包括支援センターと緊密に連携しながら、地区自治協議会を中心とした地域の地縁団体等に働きかけ、地域での支え合いを実施していく予定といたしております。
なお、地区によっては、生活支援コーディネーターが配置されたばかりの地域もあることや、地区自治協議会が設立して間もない地域もあり、制度周知が不十分なところもございましたが、今後は、地域の理解を得ながら慎重に進めてまいりたいと考えております。

2018年9月29日土曜日

イキイキ100歳体操から見る高齢者福祉政策④


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問5
 組織育成に目標値はあるのですか。またご高齢の方々の健康を増進する事により介護保険制度を安定させ継続可能なものにするということを考えれば、また先ほどのご回答の様に効果がある事であるのであれば、その目標値までは予算を補正してでも対応すべきではないか。
保健福祉部長回答
目標数についてですが、国が示しておりますのは、人口1万人に概ね10か所となっておりますので、佐世保市では最終的に約250か所程度となりますが、あくまでも住民主体の自主活動組織でありますので、徐々に増やしていく計画として、第7期佐世保市介護保険事業計画では、毎年50団体ずつ増やす計画といたしております。
しかし先ほど申し上げました通り、地域の実情を把握し、地域住民の意識を高めながら進める必要がある事業ですので、地域包括支援センター等と連携して事業を実施してまいりたいと考えております。
予算額につきましては、昨年度の当初予算では555万円を計上しており、地域の活動状況を見ながら申請予定団体数の増加を見込んで、今年度は約300万円増額して、851万円を計上いたしました。
また、補助金申請額が予算の上限に達した後も、できる限りの対応を図りたいと考え、補助金申請が行えない団体については、各団体から聞き取りを行い、介護予防体操に必要なおもりや椅子、DVDプレイヤーやモニターを貸し出すことで、団体から活動継続の理解を得ておりますので、現時点での補正予算は予定いたしておりません。
 初年度75団体、1団体74,000円で555万円、これを250団体を目指して年間に50団体ずつ積み上げると言う事です。本年は125団体となります。125団体の74,000円は925万円ですが、今年度予算は851万円です。少なくとも計画に合わせた予算は確保すべきではないでしょうか。
 また要支援者1人に要する介護保険料は年間25万円とも概算されています。先程は200名ほどが要支援から総合事業へ移行されたとの話もありました。効果が高く投資効果のある施策については、どんどんと前倒ししてでも取組みべきではないでしょうか、ご提案いたします。

2018年9月28日金曜日

イキイキ100歳体操から見る高齢者福祉政策③


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問4
100歳体操の組織育成から補助申請などの流れはどうなっているのか。また補助金が足りなくなった理由は何か。
保健福祉部長回答
現在活動されている介護予防活動組織の誕生には、大きくわけて2通りございます。
1つめは、地域の高齢者等が介護予防のために自主的に集まり活動を行う場合で、2つめは、地域包括支援センター等が地域へ出向き、介護保険のサービスのみでなく、身近な場所で取り組む介護予防の必要性を地域住民の方に説明し、自主活動が開始される場合があります。
 このような介護予防に取組む自主活動の維持・発展の一助として、地域介護予防活動支援事業補助金制度を創設し、広報などで周知を行っておりますが、事業を活用する場合は、地域包括支援センター及び長寿社会課にて事業の性質や要件等を説明し、申請を受け付けており、提出された申請書については、要綱に基づき予算の範囲内において補助金の交付決定を行います。
 予算については、平成29年度に開始されたばかりの事業ということで、申請団体の見込みが難しい状況でしたが、地域包括支援センターと連携を図り、現在立ち上げ相談を受けている団体などを想定し予算を計上しておりました。
しかし、地域での介護予防の意識向上効果と思われますが、予想以上の自主活動組織の立ち上がりがあり、当初予算で見込んでいた団体数を超える補助金申請があったため、結果的に7月下旬で予算が不足する状況となっております。

2018年9月27日木曜日

イキイキ100歳体操から見る高齢者福祉政策②


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問2

100歳体操の時間は30~60分と聞くが、ただ今の説明では居場所づくり・仲間づくりと言う言葉もありましたが、少なくとも半日以上交流する居場所や情報交換の場が必要と思うが、それにも対応しているのか。

保健福祉部長回答
いきいき百歳体操は30分程度の運動ですので、活動を充実させるために、健康講話や口腔機能を高める体操など、その他の介護予防に資する活動の紹介を行っております。
また、団体によってはいきいき百歳体操に追加して、別の体操や脳を活性化するトレーニングを実施し、それぞれ工夫をしながら半日以上の活動をされている団体もあります。
この総合事業のスタートによりこれまで介護保険で行われた要支援者への訪問介護・通所介護が総合事業のメニューになりました。


私の母親も認知症があり要介護1の状況です。7月ごろ脳梗塞を患いました。その際、母のケアマネージャーと話す中で、今の段階では介護の認定を上げても具体的にできること、していただくことに違いはなく意味はないのですが、いざと言うときに手続きをしても2、3月待ちと言う事も有り、この際今の内に介護の認定を上げた方がいいのでしょうか、と話しましたら、今は佐世保市も手続きが早くて1月かかりませんよ、との話でありました。私は介護認定手続きに時間がかかったり、将来不安があったりで「念のために、あらかじめ早めに要支援の認定を受けておく」と言う状況がこれまでたくさんの方々の認識にあったのではないかと思う。その事が一方で介護保険の需要が無制限に拡大し、介護保険制度の継続性が揺らいでいる要因とも思う。
それがこの100歳体操により健康の維持増進と居場所づくり仲間づくりができるようになる、いざとなれば介護保険の手続きもスムーズに対応できる。
 と言う事はこれまで要支援認定をあらかじめ備えとして受けていていた事が必要なくなるのではないかと思う。

問3
 そこで総合事業も1年を経過し、要支援の認定件数が減っているのか、また、要支援の方が認定を外れるなどの効果が表れているのかについてお尋ねをいたします。
また併せて、要支援の認定を受けることが難しくなった、あるいは要支援の認定を外れた、そのことによって不利益を被る、そうした事例がないのかをお尋ねします。

保健福祉部長回答
認定申請は減少してきておりますが、既存の認定者において、本事業のサービスのみで対応できる方については、認定更新をせずに事業対象者へ移行する方もおり、平成29年度においては約200名の方が移行されました。
 本事業は必要なサービスを迅速に受けられるようにしたもので、介護認定を妨げるものではありませんので、必要に応じて介護認定を勧めており、認定を受けることが難しくなるなどの不利益を被ることはございません。

2018年9月25日火曜日

インバウンド対策について③


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  日経8/17「クルーズ船 異変」の記事がありました。中国からの大型クルーズ船の寄港が九州において15%減少しているという事であす。その原因は、3泊ほどの旅程でかつては4万円以上であったものが過当競争で1万円程度から手に入るようになった、と言う事で、要するに、その分クルーズ船旅行という商品が陳腐化して魅力がなくなってしまった、と言う事です。また一方でツアーではなく個人旅行を選ぶ人の増加もあり、数千人単位で乗客を確保するのが難しくなったとも指摘してあります。



問3

団体管理囲い込み・バックマージン型のビジネスモデルについては受け入れ側においても懸念がたびたび指摘されたが、利用者側:お客様においても満足度が低いようだが、何らかの変化の兆しはあるか。



観光商工部長回答

現在、佐世保港に寄港する国際クルーズ船のほとんどが中国発着となっています。

この中国発着クルーズ船の寄港地ツアーとしては、展海峰や九十九島パールシーリゾート園地、弓張岳、西海橋等、市内の無料観光地を散策した後、市内外の大型免税店への立ち寄りが含まれるコースが多く、この免税店での売り上げからのバックマージンによりランドオペレーターが手配する貸切りバスなどの費用をまかなうというビジネスモデルで成り立っていることから、免税店立ち寄りは必須の行程になっています。
一方で、中国人観光客の爆買いが沈静化し、海外個人旅行いわゆるFITのお客様については、日本文化体験などのいわゆるコト消費への移行が進んでいると言われており、クルーズ船社や中国旅行社、また一部のランドオペレーターからも、現在のビジネスモデルからの脱却を望む声も挙がっております。
このような状況の中、8月20日には、観光庁主催による「クルーズ着地型観光に向けた意見交換会」が開催され、本市からも出席し、寄港地が抱える課題や問題に関して、ランドオペレーターも含めた現状の報告と意見交換を行ったところです。
しかしながら、現行の免税店等からのバックマージンにより成り立っているカジュアルクルーズ船ツアーバスのビジネスモデルに代わるものは、本市に寄港する中国発着の大型クルーズ船においては、未だに確立されておりません。

イキイキ100歳体操から見る高齢者福祉政策①


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 2025年、団塊の世代と言う日本社会における人口のボリュームゾーン、この方々がすべて75歳を超える、この時に介護保険制度はどうなるのか、そうした事から「地域包括ケアシステムの構築」がすすめられている。

 6月の議会ではこのシステム構築の根幹を担う地域包括支援センターの在り方から、全般的にこの課題に取り組んだ。今回は地域包括ケアシステムの一翼を担う「いきいき100歳体操」と言う具体的な一つの事業への取り組みを質疑する事で、制度の周知を図り高齢者福祉の増進に努めたいと考える。

 と言うのも地域包括ケアシステムの構築と言う政策、それを担う地域包括支援センターと言う機関、今回の場合は「新しい介護予防・日常生活支援総合事業」(通称:総合事業)と言う政策、それを担う生活支援コーディネーターと言う機関、これらがなかなか認識されていない。

 6月の議会で地域包括ケアシステムや地域包括支援センターを取り上げた事により、現場からいろいろなご意見を頂いた。例えば「地域包括支援センターの職員とやっとコミュニケーションが取れるようになり、課題解決を進めようとした矢先に、その職員が退職した」と言う民生委員さんの声、また「100歳体操の補助金、もうなかってバイ。どうにかならんとね」と言う地域のお世話焼きの方の声、私はこうした現場の直接の声を議会の一般質問と言う公の場で取り上げ、解決策を協議することにより、実の有る地域包括ケアシステムの構築に繋がるものと思います。

 

 地域包括ケアシステムのこのコンセプトの中で重要な事は医療や介護保険を充実させて、すべてそこで賄いますと言う事ではなく、充実した地域コミュニティーにおいてできるだけ互助により健康を維持増進しながら住み慣れた地域で生活できる仕組みを作ると言う事ではないかと思う。それを担うのがいわゆる総合事業で、私はその中心的な政策が「いきいき100歳体操」であると思う。

 

問1

そこでまず、総合事業の仕組み、その中での100歳体操の主旨とこれまでの取り組みについてご説明下さい。

 

保健福祉部長回答

介護予防・日常生活支援総合事業は、これまで要支援の方が受けていた介護予防訪問介護及び介護予防通所介護が、二次予防事業等と再編され構成された事業で、要支援認定者及び基本チェックリスト該当者が対象となっております。

基本チェックリストとは、包括支援センター窓口や包括職員が地域活動に出向いた際、物忘れや転倒等が気になる方へ行うもので、これまで、介護認定を受けなければ利用できなかった介護事業も、基本チェックリストに該当した方は、必要なサービスを受けることができることとなり、この他、65歳以上の全ての方が対象となる介護予防活動の支援も創設されております。

また、「いきいき百歳体操」とは、おもりを使った筋力運動の体操ですが、これは、通所介護事業所のように多くの機器を必要とせずに、おもりを使用して軽い負荷をかけ、安全かつ効果的でコストのかからない運動メニューとして、平成14年に高知市の理学療法士が考案したものです。

この体操は、国も推奨しており、筋力向上だけでなく、住民主体で行うことで、居場所づくり、仲間づくりという地域コミュニティー形成が図られています。

本市のこれまでの取り組みとしましては、平成28年1月よりモデル事業として市内の4箇所で実施し、平成28年度に介護予防普及啓発講演会を行うなど、市内全域での普及・啓発を進め、現在は、組織の立ち上げ支援や効果を評価する体力測定、体操指導及び活動を継続するための支援を地域包括支援センターと連携して行っています。