2013年2月23日土曜日

順調に乗り換えて

 長男は、中央大学法学部ともう一つ、立教の経済もセンター利用で受験していたようである。早慶の発表の前に中央は入学手続きの締め切りが来るので、順調にいけば、中央大学に入学金を納め、それを捨てて早慶のどちらかに入学金を納めて、それを捨てて、東大に入る事になる。たまたま立教も受けていたので、中央の締め切りが、立教の発表となり、立教の締切日は早稲田の発表日、その前に慶応の発表、という日程になる。
 長男にどうするか、どうしたいか、話し合ったところ、東大早慶でなければ中央も立教も、どうでもいい、との事であった。そこで、中央→立教→早慶と、素早く乗り換え、入学金25万円ほど、節約する事となった。立教のセンター試験も合格し、いよいよ、今日、慶応理工の発表となった。
 合格、おかげさまの合格。分厚かった東大早慶の牙城の一角を崩し、いよいよ週明け月曜から頂上決戦となる。
 対して長女の方は振るわない。センターの不出来ショックからなかなか立ち直れず自信喪失気味である。模試でずっとA判定を取っていたT女もダメ、当然C判定のRもダメ、最終ディフェンスライン、ランクを下げてのチャレンジである地元国立に月曜日臨む事となる。さてどうなる事か・・・
 浪人もいいな、と思う。長男はやはり2浪しなければ自分がどういう方向に進むか、その志、そして家族や周りへの感謝の心が、学力よりも何よりも最も大事なそれらに、気付かなかったのである。この数カ月、学力よりも何よりも、それらが、伝わるようになった。そもそもその領域の学力なんて、僕に分かるはずもなく、僕はただ、学力よりも何よりも、志と感謝の心、その事をずっと見ていた。長男は間違いなくその部分が成長していた。長女も然りと思う。当然、大学生になって進むべき道を探すのもいい。そしてまた受験失敗→浪人と言う屈辱の中で自分を見つめるのもいい。幾度かの辛酸を経て志はじめて堅し、とも言う。そう考えれば長女はまだ、時間がたっぷりとある。

2013年2月9日土曜日

中央大学法学部の理念と打算

 簡単に九大に入った長男は簡単に九大を止め、浪人すればそれなりの努力で東大に入れるだろうと考えていたようで、まして、早慶など、落ちるわけがない、などとほざいていた。東大早慶の全落ちは相当に応えたようであった。いよいよ入試のシーズンを迎え、強気と弱気、高揚感と挫折感が周期的に入れ替わり、自らが選択した道とは言え、プレッシャーも相当なものであるようだ。3浪は有り得ない、それは経済的にも時間的にもそして精神的にもである。それを避けるために、今回は周到に準備をしなければならない。漸進:匍匐(ほふく)前進、である。少しずつ前に、橋頭堡を築いて、少しずつ前に。
 理想は、センター試験に圧倒的に勝利し、早稲田の文系センター利用を一つ確保することである。慶応はセンター利用入試の制度はなく、早稲田も理系にその制度はない。ただ私立の他大学と違ってセンター試験の翌日に願書提出ができる。しかし国語で思うように点数が伸びなかった長男は、早稲田のセンター利用を諦める事になった。早慶並みで他を探すとなれば中央大学の法学部、である。センター試験前に中央の法学部を出し、センター後に早稲田の学部を選んで、と目論んだのだが、結局、センター利用は中央大学だけとなった。
 早慶の理工もなかなかハードで、加えて東大理1となると、3浪の危険率は高まり、マインドが委縮し十分な力が発揮できないかもしれない。東大早慶の前に何としても安心材料が必要である。中央大学法学部、司法試験合格者で東大と激しくしのぎを削る名門大学、さすがに名門を維持し続ける確固たる戦略があるようだ。
 何とセンター利用で選ばれるにあたり、文系の法学部であるにもかかわらず、長男の場合、英語(200点)、国語(100点)、数学(100点)、物理(100点)、化学(100点)の選択(計600点満点)ができるのである。あえて社会科科目を入れる必要はない。早稲田のセンター利用と大きく科目が違う。長男の場合このチョイスならば9割近くの得点となる。かくして、合格となる。中央大学は理系文系問わず、難関国公立大学におしくも漏れた優秀な人材の受け皿となるとの作戦であるらしい。難関司法試験を勝ち抜くにあたっては、主に3科目の限られた入試の私立大学型秀才よりも幅広く科目を課せられる国立大学型の人材の方が対応力があり、さらに人間性が謙虚でまじめとの考えによるとの説もある。
 さらに入学手続きの締め切りが早慶の合格発表の前、また一般的には取り敢えず入学金だけを納めればよいものが中央大学の場合は半期の授業料も納めなければならない。当然入学しない場合は授業料は返ってくるのだが、難関国立大を第一志望とし、さして早慶ブランド信者でなければ、司法試験の実績の上からでも、中央大学を選ぶであろう。
 長男の場合理系であり、希望としては東大理1、慶応理工、早稲田理工となるのだが、ここで中央の法学部を決めた事は、精神的には大きな一歩である。どうにか3浪は免れた様である。

2013年2月1日金曜日

九大と東大と東工大と・・・③

 九州では九大が圧倒的かつ抜きん出た存在である。それでは東大が東京で或いは日本で圧倒的に抜きん出た地位にあるかと言えば決してそうではないようである。ちなみに理化学系のノーベル賞においては京都大学が圧倒的に多い。医学では慶応大学なども独特の存在感があり、文学ではノーベル賞候補村上春樹は早稲田、東大のトップクラスは圧倒的に天才ではあるようだが、その他の部分は正確なヒエラルキーでは無く重層構造であるようだ。ただしこうした東大でもトップに君臨できないと言う事は、もともと優秀な東大生がさらに日頃努力をしなければならないと言う事であるから、当然、この階層は進むべき方向に住み分けながら、不断に努力し能力が向上するのだろう。得てして批判される日本の教育制度、大学制度ではあるが、垣間見ると、そこそこじゃん、とも思う。で、やはり東京が刺激は多いと思う。で、子供たちにもその刺激を日々に得られる環境におきたいと思う。東大の様なトップクラスの階層では無くても、娘も然りである。
 長男は東大を受験することを決めた。長女は某女子大とその上のクラスの有力私大国際系、にチャレンジする。某女子大にはこれまでの色々な模試でA判定も出ており安心していたのだが、センター試験の不調とそれをもとにした高校の面談で、一機にマインドが萎え、恐る恐るの日々をこれから過ごすことになる。長女がこれから社会に出る、その前の訓練期間としての大学生活では対人力、コミュニケーション能力、若干の専門知識とそれを表現する語学力を鍛えなければならない。人格をズタズタにして新しく組みなおす位の事が必要で、日々の良い刺激が要る。今のままでただ大学の学問的知識が増えても、経営者的な目から見ればあまり欲しくない人材である。その環境に置くか、4年後に就職で苦労するか、自明である。今より良い環境を目指す、と言う事で長女も従来方針通り、明日から上京し、入試に臨む。一年を雌伏してでもそう進むのである。
 センター試験の難化は18歳の少年少女の心をかきむしり、各家庭で色々なドラマが繰り広げられているようである。親と子の意見の対立もあるだろう。でもこれって、楽しい事なんだ、と思えるかどうか、まずはここが分かれ道の様な気がする。