2015年12月13日日曜日

行財政改革を問う 12月一般質問から④



 
平成24年7月施設白書、それに続き平成25年3月「資産活用基本方針」、平成26年10月「公共施設適正配置方針」と「公共施設保全方針」が策定されている。また26年度中に公共施設の「適正配置計画」と「保全計画」が作成されることになっているが、それは現在においても完了していない。
ちなみにこうした施設白書等の作成に要した費用を質問した。4320万円ほど、コンサルタントへの外注としてその費用が支払われているということである。
これらの資料から数字を拾うと平成22年度の投資的経費150億円、その内公共施設にかかわる投資的経費は46億円となっている。現在の公共施設を建替え・大規模改修するとすれば今後40年間に年平均112.4億円必要であることが試算されている。46億円と112億円である。公共施設を整理しなければ財政は成り立たない。この危機感からスタートしている。行財政改革でまとまった金額を圧縮していくには施設白書作成の原点に立ち返りまたこれを貫徹することが、行革の第一なのである。
 
 ところがそれが遅れてしまい、市民負担の増額による増収策が先行することになった。改革に歩調を合わせ、改革が先行し市民へ将来像を示しながら、その後に負担増をお願いする、であるから「行政改革の一つとして受益者負担の適正化」があるのであって、増収策が先行してしまえば、それはもはや行革ではない。増収策で得られる金額、施設整理で縮減する金額、0の数が一つ二つ、違うのであるが、安易な方向へ流れやすいのは世の常、ではあるのだが。

2015年12月12日土曜日

行財政改革を問う 12月一般質問から③


「受益者負担の必要性」
 こうした事から、公民館などの公共施設の利用料値上げなどが、議案として提出されました。
 
 資料写真の前段「現在のサービスレベルを継続するために、負担とサービス」のバランスを考えるのは理解できます。

 後段、「施設の利用者と未利用者における税負担の公平性」の為に、利用料金を上げるというのはどうでしょうか。公民館を利用する人は、利用しない人に対して、不当に「良過ぎる」のでしょうか。公民館などの施設を利用する時、「良過ぎる」事のペナルティーとして高い利用料を払う事が、公民館などを使わない人たちの不満を解消することになるのでしょうか。
 施設を利用する人は「納税+施設利用料」です。施設を利用しない人は「納税」だけです。例えば1000人の人口で考えます。施設利用料が現在100円とします。これを130円にします。施設を利用する人が300人、使わない人が700人とします。利用料を上げれば当然、利用者が減るというシミュレーションを市当局もしています。2割減らします。利用者は240人になります。
 300人×100円=30,000円
 240人×130円=31,200円   1,200円の増収になります。施設を維持管理する費用の為には良い事です。
 しかし、「施設の利用者と未利用者における税負担の公平性」、はどうでしょうか。利用しない人が増えるわけですから、全く逆の結果しか出てはいないのではないでしょうか。「施設の利用者と未利用者における税負担の公平性」を図るためには、「利用者」=「納税者」、に限りなく近づけるべきではないでしょうか。これこそがより多くの人に使っていただく、公共施設の使命ではないでしょうか。

 行政目的とかい離するシミュレーションを平気でしながら、議案を出すというのは、摩訶不思議な話です。「十分に意を用いて」とか、答弁用語にも近頃、慣れてきました。


 一般質問が視聴できます。
http://www.sasebo-city.stream.jfit.co.jp/vod_play.php?CNTID=28230&PREVPAGE=%CC%E1%A4%EB

インターネットエクスプローラー  でないと見れないようですね。

2015年12月9日水曜日

行財政改革を問う 12月一般質問から②


まず、佐世保市における行革の体系を整理する。
行革の基本は、「第6次佐世保市総合計画の後期計画」を受けた「第6次行財政改革推進計画」にある。その具体的取り組み、あるいは切り口は「施設白書」である。

本市のみならず地方財政の課題は社会保障費や公共施設の維持管理費、この2件の経常経費が年々増加し、その負担に耐えられるかと言う事にある。

公共施設は政策目的を実現するための施設であると同時に、その施設の建設整備を通して地域経済をけん引する役割も担っていた。いわゆる景気対策である。その積み重ねの一面は国の国債発行残高1000兆円と言う負の遺産である。しかしそれを箱モノ行政のなれの果てとそしることは簡単であるが、そのことによって地方の地域経済が維持されて来たと言う事も事実である。功罪を乗り越え、今に生きる私たちは、この過剰施設の課題を乗り越えることが責務である。
 
そういう思いの中で「施設白書」をつらつらと読んでみますと、実によく編纂されている。



この施設白書はどのような思いで策定され、またその後どのように活用されているのか。

この施設白書をより具体的にするために、平成25年3月に「資産活用基本方針」、平成26年10月に「公共施設適正配置方針」と「公共施設保全方針」が策定されている。同様に策定の経緯、主な内容について質問を行った。
 

また、この施設白書によれば26年度で公共施設の「適正配置計画」と「保全計画」が作成されることになっている。その作成状況について質問を行った。

2015年12月7日月曜日

行財政改革を問う  12月一般質問から①


今回行ないました一般質問の要旨です。

・論点1  行革とは何か。

 行財政改革とは、何でしょうか。

行革の目的は大きく2つあります。一つは社会の変革に合わせるための行革、そして今一つは経費節減のための行革です。

その方法は大きく分けて3つ有ります。

1つは、行政の仕組み、組織、定員などを改めて、行政の機能を向上させ、効果的効率的なものにすること。

2つは、行政手続法、情報公開法、政策評価などを導入し、行政を透明化、公正化することです。

3つは、行政の対象範囲を変更する、すなわち行政のやるべきことを、役割を見直し、特に縮小することであります。

故に、単なる増収策は行革に非ず、むしろ古来より、単なる増収策は行革を妨げるものであることは、歴史の示すところであります。


 と言う事から、受益者負担の公平性を錦の御旗に進められようとしている公共施設の利用料値上げに対し、その前に改革すべきことがあるのではないかと言う事を、訴えました。

2015年11月11日水曜日

長野視察の報告です。

今回の佐世保市議会交通体系整備特別委員会、視察の報告書です。交通体系整備特別委員会がどのような事を協議しているか、できるだけ早めにご報告いたします。



視察報告書

平成27年11月 12日

交通体系整備特別委員会

松尾 裕幸  委員長 様

委員 北野正徳

 

〔 上田市〕

調査事項 1.北陸新幹線開業(平成9年)までの取り組みについて

市の取り組み、県・国への働きかけ 等

2.新幹線開業にあたり、上田駅周辺の再整備について

駅周辺まちづくり、県・国との関わり 等 について

 

説明及び調査

上田市においては昭和54年1月、国の新幹線整備関係閣僚会議において北陸新幹線を含む整備新幹線に関する環境影響評価指針が了承され、さらに573月北陸新幹線高崎~小松(石川県)のルート概要が発表されたのを受けて、取り組みが始まった。57年3月市議会において「高速交通網の整備について」の陳情を採択し、6月議会において「北陸新幹線の早期着工について」を決議している。

  ただその後は国鉄の分割民営化(19874月)もあり、常に議会が先頭に立って陳情要望活動が積極的に取り組んできたという事でも無いようである。民営化後の平成2年6月議会において「北陸新幹線の軽井沢以北早期実現について」を議決したものの、平成3年に長野オリンピックの平成10(1998)年開催が決まったことにより、そのオリンピックに間に合わせることになったために、早期実現等の活動は実質的に必要なくなっている。

  上田駅周辺の再開発についても、JRと一緒になって、という事ではなく、市独自にその必要性をかねてより認識し、取り組まれた経緯がある。新幹線上田駅の完成予想図においては、それは景観等への配慮もあまり考慮されない無味なものであったが、上田市の商工会議所などが発起「上田駅舎募金実行委員会」が設立され、1.5億円程の募金を得て、その全額をJRへ寄付し、「蔵風」の外壁工事を行われた。

  再開発事業は期間も長く費用も莫大となるため、懸案ではあったものの、事業実施には厳しい状況であったが、最終的には新幹線上田駅開業に押されて、あるいはそれを追い風として、実施に踏み切られたようである。昭和573月の新幹線上田駅へ移設の決定、昭和58年3月上田駅周辺整備構想策定、平成9年10月、長野新幹線開業、そして駅周辺再開発事業は平成10年3月に県の事業認可を得、また13年12月には事業計画の大幅な変更も行われている。この間バブル期を経た、激変と停滞の時期でもある。

市街地再開発は長期間にわたり、また莫大な費用を要し、大きな課題解決をしながら進められる。この上田駅周辺市街地再開発は第2種市街地再開発事業として用地買い取り方式で行われており、またこの方式でなければ実現できなかったのではないかとも思われる。再開発ビル(7階建て)の1,2,3階は元所有者に床を与えられ、4、5、6階は市の所有となり、4階を図書館などの公共施設として利用し、5、6階は民間企業に賃貸されている。ちなみに、賃貸された民間企業側からは賃料の値下げをお願いされていると言う事で、事業を完遂させるための厳しい財政事情が垣間見えるような気がする。

  交通体系整備が民間活力を醸成し、その民間活力が再開発を進める、そうしたスパイラルが築ける様、市政のレベルアップに尽くしたいと思う。
 
 

視察報告書

平成27年11月 12日

交通体系整備特別委員会

松尾 裕幸  委員長 様

委員 北野正徳

 

〔 上田市〕

調査事項 1.観光列車「ろくもんせん」について

乗車視線、列車のコンセプト、運行状況、収支状況について

2.社の経営理念や現況について

      北陸新幹線建設にあたり並行在来線が経営分離され、第3セクタ

ーとして発足した経緯。しなの鉄道活性化協議会の取り組み等。

 

説明および調査

しなの鉄道株式会社は平成8年5月1日、長野県、沿線市町、経済団体等の出資による第三セクターとして発足した。北陸新幹線の在来平行線であり、平成9年10月1日の北陸新幹線開業と同時に、軽井沢~篠ノ井間で営業運転を開始した。さらに平成27年3月14日、長野~妙高高原間を引き受け、北しなの線を開業した。全線複線で通勤通学での利用も多いが、当初は赤字営業が続いている。平成17年8月には県から1035千万ほどの累積欠損の補填を受けている。平成18年3月、開業以来の当期利益を計上し、以後は連続して利益を計上している。ただ利用者の減少は、減少から横ばいに移行しているものの、長期的には減少は止むを得ず、また収益増のための度々の運賃値上げも利用者減により、3,4年程度の増収効果にしかなっていない。生活路線以外、すなわち観光客の取り込みなどが求められる。

  そうした状況において平成26年7月、観光列車ろくもんの運転が始まった。JR九州、肥薩オレンジ鉄道などの先進事例も研究されている。ベース車両は1978年製、1.2億円かけて改修されている。利用者の8割は県外その8割は首都圏と言うお客様の構成である。JR九州が行うクーズトレイン「ななつ星」と比較するには小規模ではあるが現状は首都圏の大きな経済力に支えられている様である。

 今後佐世保市が中核市になり平戸松浦・伊万里の観光連携を計る時、MRでのこうした企画は効果的ではないかと思われる。また小規模第3セクター鉄道がこうした車両や企画を協同する事も将来的には検討課題になりうると思われる。

2015年10月26日月曜日

公民館等の施設利用料の値上げについて 9月一般質問から⑥


公民館活動と受益者負担の考え方について問う

 公共施設の利用料値上げの多くは公民館や体育施設など、市民の生活に直結した施設である。財政的な要請とは言え、議論の深まりも無く簡単に済まされるのも、議会・議員としてその存在を問われるべき事である。一言(でも二言でも)物申すことが必要である。
 私の論点の第1は次のようになる。

公民館で行われる活動、公民館が担う活動、そして社会教育とそのための施設としての公民館のあり方は、憲法の基本的人権に由来し、教育基本法や社会教育法に規定されている。教育基本法では社会教育が「個人の要望や社会の要請にこたえ、国及び地方自治体において奨励されなければならない」と第12条で規定されている。また同法2項において公民館を設置して教育の振興に努めなければならないともしている。更に社会教育法は、そもそもが社会教育に対する国や地方公共団体の任務の規定である。社会教育法は3条において社会教育の奨励に必要な施設の設置運営に、国及び地方自治体は努めなければならないとしている。そうした事々と受益者負担の考え方で、料金を取ると言う事は深遠なる議論を要するものではないか、と言う事である。
 
 議会にも図られる以前であるので、議論が深められていないのは当然である。他の自治体において「利用料を取る制度」が激論の末に導入されていることも知っている。だから問題ない、で良いのか。やはり佐世保市においても激論をすべきなのである。
 
 公民館活動の、社会教育活動の、その受益者は、その活動に参加した人たちのみならず、広く国民が受益者であるとの考えがある。知る権利、学ぶ権利を保障し、憲法が保障し唱える自由で民主的な国の形を維持する事によって、広く国民に還元されるという考えなのではないか。 

論点の第2は次のようになる。
減免基準の明確化との表が示されている。例えば「懇親・レクレーション」は減免を行わない、との分類になっている。さらに公民館主催事業であるかどうかで、減免を行うかどうかの区分している。

 社会教育法で社会教育の定義がなされているが、そこには教育活動としてレクレーションの活動を含むと記されている。また「住民の自主的な社会教育活動を尊重し、行政の役割は主としてそれを奨励、援助する事にある」と言うのが行政の役割の認識であり、公民館主催であることを減免にの対象におくことは、この趣旨に反し、自主活動を抑え、何事も公民会主催ですべしとの、反対方向への誘導にならないか懸念される。
 
 公民館の使用に対して、社会教育法の趣旨を超えて職員の判断基準が用いられているのではないかと懸念されるのである。
 
 明確な回答は得られない。ただし、主戦場は文教厚生委員会である。しっかり議論しなければと思うのである。
 議会中継、ぜひご視聴ください。

2015年10月23日金曜日

公民館等の施設利用料の値上げについて 9月一般質問から⑤


 執行部は、本来自治体会計にはない減価償却費を持ち出して、公共施設の利用料値上げを主張するのではあるが、議論がもまれていない分、腰が定まらない。減価償却費として投資額を回収するといってみたり、世代間の負担を公平にするといってみたり、また受益者負担と言ったりもする。それぞれに意味は違う。減価償却費を持ち出して公共施設の利用料でもって投資額を回収するのであれば、もはや公共施設ではない。公共施設であればその様な計算は成り立たない。また世代間の負担の公平性と言うのであれば、減価償却費では無く借り入れ(起債)の返済がそれにあたるのではないか。受益者負担ということであれば、例えば公民館を利用し社会活動が営まれる、その受益者は国民、と言う事になるのではないか。学ぶこと、知ることが自由で民主的な政治体制を支えるというのが根本の思想にあるのであるから。

一般質問に際して事前に財務部の担当者と打ち合わせをするのだが、なかなか議論が噛み合わない。そこで、同じ単式簿記の構造から自治体会計はよく家計に例えられるので、家計によるマイホーム取得として話をしてみた。



例えば親世帯子供世帯が協力して2世帯住宅を建てるとする。3000万円、金利2%、30年償還とすれば年間133万円の30年均等償還になる。そうなれば、やがて親世代は引退し、子供世帯だけが負担することも予想され、ならばこの計画は止めようと言う事になるかもしれない。今であれば建てるか建てないか、自己責任で考えることがでる。


ただ一般的には自己資金を用意する。親世帯が1000万円、子供世代が500万円、合計1500万円が自己資金、残り1500万円を先ほどと条件を同じく金利2%、30年償還の借入、とする。すると年間の支払は66万円、30年間、これなら将来的にも子供世帯で負担できるなと言う事にもなり、計画は進められることになる。



公共施設は自治体の自己資金と補助金と借入金で建設される。このうち借入金は、国の国債発行残高が1000兆円超えた、次の世代への負担の先送りなどとよく言われるように、次の世代が借金を返済することで負担する、と言う事はあり得るし、現実にそうなっている。


先ほどの家計においても自己資金と借入金で世代間の負担を調整し、マイホームと言う資産を活かし、平穏で文化的な生活が享受される。負担がどちらかに偏れば、この計画はとん挫してしまう。この収入支出の家計において、建物の減価償却費と言う概念は必要ないし、意味を持たない。係るのは固定資産税の納付と資産売却の折の譲渡益への課税くらいである。


減価償却費により資産の建設コストを回収すると言うのは、この年額66万円償還しながら、この家と言う資産が有効活用され家族の幸せの器になっているものに、木造建築の耐用年数24年、定額、償却年間125万円、これで投資額を回収すると言うことを押し込むと言う事になるのだが、果たしてそこに何の意味があるということになるかである。

2015年10月19日月曜日

公民館等の施設利用料の値上げについて 9月一般質問から④

公会計における減価償却費の考えについて問う。

 新しい料金体系においては、減価償却費、と言う考え方が導入されている。公会計に、企業会計に倣い貸借対照表や損益計算書などの財務諸表を導入しようという考え方は、古くて新しい、また新しいようで昔からある考え方ではある。
まずは、佐世保市の場合、そうした取り組みはどのようになっているかを質問した。

 佐世保市においては、一般的な自治体会計の決算資料から推計して企業会計の財務諸表に類して作成されている。いわゆる発生主義に基づく日々の複式簿記による仕分けから作成されているのではなく、ある意味統計資料のようなものである。そこで「減価償却費」に対する考えが問題になる。 

住民説明資料11ページにおいて、公共施設の利用料算定に、減価償却費を参入する割合が示されている。

減価償却費とは一体何か。減価償却費とは、複式簿記を基礎とする企業会計において、土地を除く建物や機械などの固定資産の費用を、発生主義に基づいて収益に対応して耐用年数の期間で費用として案分したものである。ポイントは「営利を目的とする企業会計」であること、「利益に対応して」ということ、「実際上の現金の支出に関係なく」ということ、「税法上の費用とする」ということである。対して公会計は、住民から徴収された対価性のない税財源の配分を、議会における議決を経た予算を通じて事前統制のもとで行われる。ポイントは対価性のない税財源の配分、という事である。

 減価償却費と言うのは現金支出を伴わない費用、いわば概念上のものだが、あたかも何らかの費用支出が必要な表現及び説明は住民に対して不誠実ではないかを問うた。

特に公民館などは、憲法由来の、ある意味シビルミニマムあるいはナショナルミニマムに属する事であり、市が整備しなければならない施設が、補助金も含めて税金で整備されたというのが、現在利用されている公民館である。減価償却費と言う会計用語を使って企業会計風に表現すれば、一発償却で一年の単年度で費用として償却された形になっている。「減価償却費」は修理費とは違う。市が減価償却費として現金をどこかに支出するという事ではなく、複式簿記ではないので、相手科目もない。

2015年10月3日土曜日

公民館等の施設利用料の値上げについて 9月一般質問から③



 当日配布資料13ページに「受益者負担の適正化指針案の作成および策定」と示されている。作成と策定の意味の違い、それぞれの主体、会合の数など過程、そしてこれがどのように稟議され、行政組織においてどのような位置づけになるのか、を質問した。一般的には庁内の職員で「作成」し、次のステップ、例えば民間有識者を交え協議決定し、さらに議会の行財政特別委員会などで報告了承され、「策定」になるのかとイメージをしていた。
 答弁は歯切れが悪く、庁内の職員で作成され、策定に向けて作業中との、答弁の様でもあり、策定途中をもって住民説明会をしたと言うのは拙速の誹り免れず、である。この事は別の常任委員会に新しい問題を引き起こしている。
 リニューアルしたある施設の料金体系を決定するに際し、この「受益者負担の適正化指針」に基づいたと、この一般質問の翌日開催された委員会において、当局の説明がなされたのである。そこである議員から、昨日その指針と言うのは現在策定中との説明ではなかったか、であればそれを根拠に新料金を決めるのは不適切ではないか、と指摘したのである。この議案については、一度取り下げて出し直す、など紛糾した模様で、庁内全体として、決定のルールが弛緩していることは間違いない。議長としても憤り以上に危機感を持たれ、当局に強く指摘されたとの事であった。
 続いて当日配布資料13ページにある本年2~3月に行われているパブリックコメントの意味、内容、結果について質問をした。パブリックコメントとは行政が直接住民の声を聴くと言う事、それも大事ではあるが、議員からの意見聴取については、どのように考えているかを質したのである。

2015年10月1日木曜日

公民館等の施設利用料の値上げについて 9月一般質問から②

 市議会ホームページで一般質問のネット配信が利用できます。これはインターネットエクスプローラーなど限られたネット閲覧ソフトでしか利用できず、スマホやタブレットでは閲覧できません。どなたかユーチューブで変換するとかの方法がお分かりないでしょうか。
 http://www.sasebo-city.stream.jfit.co.jp/vod_play.php?CNTID=28004&PREVPAGE=%CC%E1%A4%EB

2015年9月28日月曜日

公民館等の施設利用料の値上げについて 9月一般質問から①

 佐世保市財務部財政課において「公共施設等の利用者負担の考え方について」と題しての住民への説明会が行われ、8月5日をもって全7会場、終了した。説明会会場において配布された資料には「佐世保市財務部財政課」となっており、実施目的においては「市民の皆様に公共施設等の利用者負担の考え方についてご理解いただくため」となっている。
 公共施設の利用に関し、料金を含め制度が変わるとの事である。住民負担に係る事、条例に係ることは、地方自治法96条また条例においても列挙されている議会の議決案件である。可能な限り議会本会議や行財政改革特別委員会の議事録も調べた。例えば行政改革特別委員会において中間報告はなされているが、何らかの意思決定があったような記述は見当たらない。どのような仕組みで、どのような考え方で、議会において議案として議決もされていないものが、これほどまでに既定路線として、市の方針として行政組織が動き、行政作用を及ぼすものなのか、疑問に思った次第である。

 実はこの住民説明会の以前にも、7月頃、地区の小学校のナイター照明が腐食により落下し、その対応について問い合わせた折、こうしたナイター施設は撤去し集約する方向になっているので修理はしない、と明確な回答されていた。またその頃、地元の地区協議会にオブザーバーとして出席した折、いくつかの協議を経て、公民館や体育施設の使用料値上げの話になり、本庁より出向いた職員より説明があった。
「受益者負担の観点から利用料の値上げをするようになっている。その適正利用料金は施設の運営費、修理費、減価償却費などから計算する。税金で運営してきた分の半分を受益者負担で賄い、その分でこれからの行政課題に備える」との事であった。その時僕は、「文教厚生委員会に所属しているが、そのような公民館等の利用料の値上げの話は聞いてない」と言ったのではあるが、本年3月の議会において、さらに6月の議会においても説明がしてあります、との答えであった。住民に接する、最前線の職員においても、もはやこうした考えなのである。

 佐世保市の団体意思はどのように形成され執行されるべきか、一問一答方式で、行政の在り方を質したのである。

2015年8月7日金曜日

文教厚生委員会の視察研修

 研修を終えて、次のような報告書を提出しました。


視察研修報告

平成27731

浩二郎 委員長 

文教厚生委員会委員  北 野 正 徳

<富山市>

[調査項目]

富山市におけるSSW配置事業について

[説明および調査の概要]

 富山市においては8名のSSW(スクールソーシャルワーカー)が配置され、教育相談体制が整備されている。この8名は男性5人、女性3人で構成され、社会福祉士や精神保健福祉士などの有資格者である(1名は無資格ではあるが経験豊富との事)。いじめや不登校、暴力行為、児童虐待等の課題に対応し、特に社会福祉の専門知識・技術を用いて、家庭内にさえ入り込み、課題解決に努めることが特徴である。
 問題行動は社会や環境によって惹起されているというのが基本的な考えで、子供・保護者と学校の間に存在し、SSWが担う役割は極めて大きい。また学校・教師が担任制で1年を単位にするのに対し、SSWは複数年度に渡り課題に取り組み、長期的視野で対処し、子供たちを社会に送り出すこととなる。さらに家庭の貧困問題にも踏み込み解決策を探すなど、SSWならではの活動の意義は大きい。
 SSW制度の課題としてSSWは専門職であるのに対しそれを管理する職には人事異動もあり、管理職が変わるたびに制度の活用法に濃淡が出る事となる。またフットワークが軽いSSWに対し学校の動きが鈍い、担任との協力が十分に得られないなどの問題も見られる。またSSWはほとんどがこの職のみでの十分な収入が得られない事もあり、他の職業との兼業となっている。今後SSWの資質向上、その前提としての報酬増(謝金対応)、予算の確保などの課題もある。
  佐世保市においては全国的に耳目を集めた事件もあり、現状の活用が充分であるのか、検討したい。富山市においては、しっかりとした成果を上げるための取り組みがなされている事を実感した。

<富山市>

[調査項目]

富山市学習支援事業:富山市福祉奨学資金給付事業

[説明及び調査の概要]

 富山市においては、生活保護世帯等の子供達が高等学校等へ進学し充実した学校生活をおくることを通して、将来への希望を持って修学・就労できるよう支援することを目的として、学習支援事業が実施されている。まずは家庭相談員が家庭で抱える教育上の問題の個別相談に応じ、教員OBや大学生による学習支援員が家庭を訪問し個別指導を行っている。さらに卒業後、介護・福祉・医療の仕事を志す資格取得の修学援助を実施している。また、毎月生活費も支給されている。
 こうした事業は市長のリーダーシップで推進されており、首長は行政機構のトップであると同時に政治家として、希望ある将来を提示することも大事な使命であり、その象徴的施策でもあるのだと思う。



<富山市>

[調査項目]

富山型デイサービスについて

[説明及び調査の概要]

 国の制度では、高齢者=老人福祉法、身体障害者=身体障害者福祉法、知的障害者=知的障害者福祉法、障害児=児童福祉法の各法により、施設整備や人員基準が定められていた。そうした中、冨山赤十字病院を退職された惣万佳代子さんを始め三人の看護師さんが「デイケアハウスこのゆびとーまれ」を開所され、赤ちゃんからお年寄りまで、障害のあるなしにかかわらず受け入れる事を始められた。当然この福祉サービスには行政からの支援は無かった。ここから地域と密着した小規模な施設、高齢者・身体障害者・知的障害者・心身障害児・乳幼児を同じ施設で同時に処遇する共生ケア、をキーワードとする後に「冨山型福祉サービス」として全国展開される制度が現場からスタートした。
 平成8年度から障害者()へのサービスとして、富山市単独の事業として「富山市在宅障害者()デイケア事業」が始まり、平成9年度からは高齢者のデイサービスへの補助金交付が実現した。平成12年度に介護保険制度がスタートした。その後平成15年に「富山型デイサービス推進特区」が認定され、介護保険上の指定通所介護事業者等での知的障害者、障害児のデイサービスが可能となった。そして地域限定の特区からさらに規制緩和としての全国展開がされるようになった。
 富山型が確立した背景としては、富山市においては持ち家の比率が高く、また二世代三世代の多世代同居が多く、デイサービスのニーズが高かった事があげられる。ただ高齢者と障害者の比率は圧倒的に高齢者が多く、富山型の施設において利用が高齢者だけで、障害者の利用がない事例も散見されるとの事であった。富山市では富山型の施設整備に助成制度があり、また「富山型デイサービス起業家育成講座」などの人材育成策が図られているものの、制度と現状、利用者のニーズが少しずつかみ合わなくなっている事も事実の様である。草創期の理念型から成熟期のビジネス型へ進展し、富山型も、転換期を迎えている。



<長野市>

[調査項目]

 長野市の健康づくり

[説明及び調査の概要]
 国では平成20年度の医療制度改革により、糖尿病等の予防に着目した特定健康診査、特定保健指導の実施を、医療保険者に義務付けた。また平成19年度には「がん対策推進基本計画」や「自殺総合対策大綱」を策定し、地方自治体に対して、生活習慣病の予防のための普及啓発やがん対策及び自殺対策等のより一層の充実を求めた。
 こうした国の動向を受け計画期間平成23年度から28年度までとし、「新・健康ながの21」が策定された。
 「働き盛り世代の元気」をテーマとして、健康意識と生活習慣の個人差による健康格差を生じていることを課題としてとらえている。自分の健康状態を理解し、症状がなくても生活改善ができる人と、症状が出るまで放置する人、の二極化、また検診受信者、混交講座等の参加者の固定化などの問題がこうした課題の背景にある。そこで健康格差の縮小と重症化予防に向け、資料なども工夫され普及啓発が進められている。

 アンケート調査や検診結果などにより「新・健康ながの21」の中間評価が行われている。生活習慣病予防対策における肥満の割合、乳がん・子宮がん検診率、40歳・50歳の歯周病の割合など、一部に策定時より悪化した項目も見られるが、全般的に施策の良い効果が表れている。

2015年7月17日金曜日

どうなる!中核市:終わり

中核市移行の申出をするという事に、敢えて継続審議とし待ったをかけることについては、各常任委員会や各会派においても少なからずの異論があることであった。当初文教厚生委員会においても、他委員会との足並みを揃えて欲しいとの要請で、そのような方向で調整が進められてきた。具体的には
「中核市移行についての予算の執行については事前に議会の承認を得る事」など、条件を付ける事である。そこで僕は議員同士の会話では堂々巡りの感も有り、
「予算をはじめ議案について可決・否決・修正があると思うが、予算の執行段階で再度議会の了解を得よとの条件を付して可決するという事が、一般的にあり得る事か、公式に見解を出してほしい」と議会事務局に問うた。
 結局は、文教厚生委員会としては、委員長も中核市移行は速やかに進めるべきとの基本姿勢でもあり、継続審議にして、中核市移行関連予算の執行に条件を付けるなどの文言は、本会議における委員会報告から、一切が削られる事となった。
 緑政クラブの打ち上げは、盛り上がった。最大会派でありながら何となく常に「やり込められた」感の後味が尾を引くのだが、今回はきっぱりと正論を最後まで通した、その高揚感があった。長老議員も、男を上げた、感じである。緑政クラブの会派長はこの長老議員の弟分的な、長年のお付き合いであるようで、
「あんたが言い出さんやったら、俺一人反対で、会派から出て行かんばやったばい、会派長は俺と何十年って付き合って来とって、腹の立つ。会派長が一番男を上げたってことが、本人、わかっとるとかね」と、長老議員はここに至るまでの経緯を思い出しながら腹立たしくもあり、また嬉しくもありのご様子であった。会派長は長老議員に対して申し訳なさそうでありながらも、その雰囲気は高揚感に満ちていた。
 僕は11時ごろには家に帰った。その時点で、あまり記憶がない。長老議員を含め数人は斗酒なお辞せずの翌日ラインへ突入されたらしい。
 緑政クラブの統制の効いた戦う姿勢は、議長選以来退潮気味の雰囲気を一掃し、何となく、行けそう、な感じになってきたのである。

終わり

2015年7月14日火曜日

どうなる!中核市③

 議会が執行部に対してしっかりとした牽制力を持つことは、議会の構成員の一員として、とても大事なことであると思う。ともすれば追認や翼賛の為の機関に堕するような状況が散見されるのが、地方議会の現状とも聞く。事なかれの雰囲気で、つつがなく進行しそうな物事を、二元代表の一翼として、議会の立場から物申すことは、またそのことに腐心しての事であるのなら、自分自身もその戦力として一翼を担いたいとも思う。
ただ面白いもので、地方自治体は首長、議員(議会)ともに住民による直接選挙でえらばれる二元代表で運営されてはいるが、首長:議会の関係以外にも議会内の権力構造とその人間関係がある。本来、議院内閣制ではないので与党:野党の区別は明確ではない。佐世保市議会では緑政・自民・市政の3会派を保守系3派として与党的にとらえてはいるが、市政執行部との関係においては共産党や特定分野における社民党の立場以外は、概して野党的ではない。首長:議会の緊張した関係と言うよりも、議会内の権力構造に、大方流れていく。
中核市移行への申出の議案を継続審議とすることに、保守系3派は賛成するという事になっていたかどうかは、会派の代表者ではないので分からないが、「賛成する」ことが議会内与党的には普通の事ではあったと思う。所属する緑政クラブではこの賛否について「拘束をかけるかどうか」がまず話し合われた。拘束をかけるという事は、造反すれば会派を出る、という事になる。とりあえずは、いろいろと反論はあるが、各会派と歩調を合わせ、賛成で拘束を掛けざるを得ないというものであった。
「こんな姑息なやり方には反対だから自分は信念の元、反対する。拘束をかけるという事は、今日は俺の送別会になるという事、ね。」と百戦錬磨の長老議員が宣言する。議会最終日のその日、委員会で審議された議案をはじめ各議案は本会議で諮られ、定例議会が終了する。その夜は、それぞれの会派で打ち上げが行われる。その打ち上げが打ち上げではなく、送別会になる、俺は会派を出るとの宣言である。
僕は拘束をかけるのに反対し、むしろ長老議員と足並みをそろえると発言した。更にタイミングを計り、
「僕が一人ついて行ってもヘノツッパリニモナランですから、ここは副議長、委員長、この議案所管の総務委員会所属の4人は立場を考えるとして、残り4人は反対したらどうですか」と提案した。
「1年生議員の癖、偉そうなこと言うな」と言われると思いきや、賛成の意見があり、
「自主投票ではなく、会派としての統制を効かせ議会において役職についているものはやむなしとして、それ以外は反対とする」ことが決まった。つまり会派としての立場は、中核市移行の申出は「継続して審議する」のではなく速やかに可決すべし、との立場を鮮明にしたのである。
議長を除いて32名の議員、僕は前列に座っているので、また議事録もまだ仕上がっていないので、正確に何人が反対したのか定かではない。予算を通して、これを継続にするのは、おかしいよね、の意見は他の会派でも聞かれた。議会はそんな不平を持ちながらも大勢に流れる人、またこの場合では、中核市への申出の議案を可決せず、否決せず、継続審議とする事の意味、しかも関連予算は通っている、事の意味、それらを深く考えない人、いろいろな議員によって賛成多数で、何事もなく通っていく。ひょっとしたら、32人のうち反対は緑政クラブの4人だけだったのかもしれない。
その4人の行動によって、見えてくるものもあるのである。

続く

2015年7月10日金曜日

どうなる!中核市②

 議長経験長老議員は言う。
「そもそも中核市移行の問題はこれまでも当局と歩調を合わせて推進してきた事、何故ここで、申出に待ったを掛けなければならないのか。審議を尽くすと言っても、これから条例の制定など、審議すべきことは多々ある、申出に待ったをかけて、その間に審議を尽くすという考え方に無理がある。」
 なるほどの見解である。むしろ正論である。6月議会開会当初よりこの考え(中核市移行申出の議案を継続審議とする=当局が困る)は議会の一部議員の思惑として伝えられており、議会がその方向に強引に誘導されていくことに、この議長経験長老議員は憤りを露わにしていた。会期末の採決が迫るにつれ、緑政クラブの議員控室において、「けしからん」の論調が圧倒していた。
僕が所属する文教厚生委員会においても、委員長は議長からの要請と自身の考えと筋論の狭間で困惑気味の様子であった。文教厚生委員会が所管する事項は教育や保健・福祉など生活に密着した分野で、中核市になれば、県が所管するこの分野の多くが中核市に移行されることになる。つまり、身近な基礎自治体で身近な問題が解決されるという事であり、中核市への移行を進めるべきとの立場は明白である。
文教厚生委員会の冒頭、僕は確認を求めた。
「議案審議の日程表には審査すべき議案番号と、議案外報告の表題がついているが、中核市移行に伴う移譲事務等について、と言う項目にはそれらが無い(写真)。この件に関しては当委員会に付議された案件でもないので、委員会協議会的な位置づけで、最終的に賛否、可否などを問うという事はないというとらえ方でよいのか」
「その様なとらえ方でよい」、との回答であった。
ところが会期末が近まるにつれ、委員長への要請のプッシュも強くなり、遂に「文教厚生委員会においても検討を継続したい旨決議してくれ」との要請が伝えられることとなった。
「当初この件に関しては、何ら賛否を問うなどの決議をしない事ではなかったのか。一事不再議と言うのは会議運営の基本であり、一度決めたことがそう簡単に翻っては収拾がつかないのではないか」、と僕は主張したのだが、
「各委員会が足並みをそろえてそのようになっているという事なので、文教厚生委員会としても足並みを合わせたい」とのことになった。
続く

2015年7月9日木曜日

どうなる!中核市。


 第75議案「中核市の指定に係る申出の件」と言うのが、正式な付議事件名である。要するに中核市の指定を得るための申出を総務大臣に行うことを議会において議決する、と言う事である。新聞報道のように継続審議と言う事になったのだが、中核市移行のための補正予算は通り、申出を行うことに待ったがかかった、形である。所属する緑政クラブの議長経験議員によれば、予算を通して、この議案を「継続とする」と言う事はおかしなことである、となる。これでは移行のための準備ができないではないか、と懸念する。
 そこで「中核市移行経費については、議会の審議、あるいは市民への周知等に意を用いながら予算を執行すること」との要望が付けられた。予算は通した、しかし中核市移行への申出には待ったをかけた、それでは準備のための事務作業が進まない、そこで、中核市移行に係る経費については一つ一つ議会の審議を得るように、との事である。かくして第75議案「中核市の指定に係る申出の件」はその是非を問うのではなく、「継続審議とする」ことの是非を問う事となったのである。
 そこで法学部政治学科卒の僕としては、一言物申さではおられない。一応、地方自治論は必須科目である。35年ほど前ではあるが。
「長が提出した予算を議会が議決する。議会は可決か否決するかしかできない。修正がどこまでできるかは議論のあるところで、減額修正は予算全体の内の一部の否決と言う意味において可能であるが、増額は予算発案権を侵害する恐れがある、などの議論は勉強したことがあるが、通した予算に、執行段階でいちいち議会の審議を経るようになんて予算の通し方が、あるのですか」と、何度も委員会に置いて質問をした。会派の議長経験議員も
「これは筋が悪い、理事者への嫌がらせの様なこんなことに賛成できるか」と吐き捨てる。
 佐世保市議会は33名、それぞれの会派に属し、緑政クラブ(8名)に自民党(8名)市政クラブ(5名)が保守系3派として与党的な立場となる。ただ議院内閣制ではないので理事者側への距離感はいろいろと思惑を秘めている。緑政クラブは自民党に並ぶ最大会派ではあるが、どこか仲良しクラブで、筋論、正論なのだが、なかなか意見が通せず、手練手管に煮え湯を飲まされ、保守系3派の主導権を握れず“負ける”事が多い。
 今回の「継続審議」に会派控室では非難ごうごうなのだが・・・・
続く

2015年7月6日月曜日

佐世保版総合戦略の策定についてー再質問ー  個人質問

 再質問いたします。この総合戦略の策定に当たっては、各界各層から創生推進協議会の委員及び部会員が選ばれているのだと思いますが、一般の市民の方々が意見を聞く、述べるなどの参加の機会は図られますでしょうか。
また、議員は誰しもが地域の活性化を叫び、佐世保を元気にするぞ、そんな思いで選挙を経て、この場にいるものと思います。そんな思いから、この佐世保版総合戦略の策定に、議員がどのように関与することができるのか、意見を述べることができるのか、気になっておりました。6月3日の全員協議会での資料によれば「地方版総合戦略と議会の関係」として、地方議会が、総合戦略の策定段階や効果検証において、十分な審議を行うことが重要、と国の意向が示されています。代表質問・個人質問を通じ、質疑は行われましたが、戦略の策定と効果検証の審議がどういう形で行われていくのか、現状私にはよくわかりません。しかし、よくよく考えれば、佐世保版総合戦略の策定に議会がどう関与するかは、まさに議会が考える問題であり、当局にお尋ねすべきものではない、と言う事になるとは思います。

現状においては、9月末予定の戦略策定の前に、求められれば、6月3日に行われたような、全員協議会において報告があると言うスケジュールでしょうか、確認のためお尋ねいたします。

佐世保版総合戦略の策定状況について   個人質問

第一点目は、現在佐世保版総合戦略の取りまとめが進められていますが、これまで配布された資料の策定スケジュールによれば、この6月・7月は地方創生推進協議会の部会において、「それぞれの主体でできることを探す(関係者と協議する)」、「他者との連携でできることを探す、連携の仕組みを検討」という段階が示されています。9月の総合戦略決定に向けて、現在の状況についてお尋ねいたします。
 質問の趣旨を述べます。
「消滅自治体」と言う言葉や将来の人口予測に衝撃が走り、昨年秋以降、地方創生に関して、スピード感のある政策展開がなされてきました。しかし、それはむしろ、走りながら考える様な慌しさでもあります。朝長市長の今議会、第一日目の提案理由説明の折「基礎的な地方自治体として、地域の特色を生かし、住民に身近な施策を幅広く地方版総合戦略に盛り込み、実施することが期待される」との言葉がございました。これは一面、山積する課題の解決に、国がその明確な処方箋を提示できない事の証左でもあるかと思います。「地域の特性を生かして」とは言え、克服すべき課題の本質は少子高齢化や子育て環境の整備、また雇用力の拡大や循環型経済の確立など、普遍的であります。ですから、あたかも社会実験の様に、各自治体が創意工夫し、取組み、効果が検証された地方創生策は、単にその地域だけではなく、成功事例として、縮み行く日本の将来への可能性を提示することとなります。
 この総合戦略は、代表質問を受けての朝長市長の言葉では「佐世保の底力が問われる」と言う事であります。一際、力も入りますが、官民幅広い構成による推進協議会において、この短い期間で、衆知が集まり、どこまで議論が広がりそして深まるのか、懸念もされます。そうした理由からの総合戦略取りまとめの現状を問うものであります。



2015年6月18日木曜日

いよいよ議会が始まりました。

 今日6月18日に始まった6月定例議会は7月8日まで、21日間である。しかし、休会がかなりある。明日から4日間休会で23日に全員協議会、24日から26日が本会議、続いて30日の本会議まで休会、7月1日から3日間が常任委員会、最終7月8日の本会議まで休会となる。
 今日の開会に先立ち、一般質問の通告書を出す。休会の間、こうした一般(個人)質問や代表質問に対する当局の取材に始まり、質問者とのすり合わせが行われる。ほぼ毎日、市役所には「出勤」することになる。
 6月26日、個人質問を行うこととした。定例会のたびごとに個人質問は欠かさずやろうと思う。通告書を出すと議会事務局の女性から「てにをは」に始まり文言の国語的チェックを受ける。正式に受付けられ、順番の抽選がある。何と、1日目7人の中の7人目、最終質問者となった。みんな、飽きてくるらしい。

2015年4月14日火曜日

ちょっと政策⑥海外(東南アジア)友好都市間交流

現在佐世保市はアメリカ、中国、韓国の諸都市との姉妹都市締結を行っている。これに成長著しい東南アジアの都市と姉妹都市提携を行い、観光を手始めに産業協力を進める「友好都市間ビジネスチャンス創出事業」を佐世保市においても取り組んではどうかと考えている。
 2025年ごろを頂点として団塊の世代の高齢化がピークを迎える。要するに1950年生まれの人が75才になる頃である。社会は構造的な激変を迫られ、いろいろな課題が眼前に広がり、これは2025年問題と総称される。そのうちの一つ、高齢化した団塊の世代を支える介護福祉の職場が、これを機に減少に転ずるという事である。少子高齢化で2025年までは介護福祉分野と他産業間の労働力の獲得競争が発生し、その後膨れ上がった介護福祉分野の労働力を他産業へ誘導しなければならない。人口の急速な減少、介護福祉と言う地方の人口受入れ産業の衰退など最早一国の経済単位で解決を図るよりも、より大きな経済圏で交流人口の拡大を通して取り組む他は方法がない。
 かつて国内市場が成長していない頃、それは縮小する日本の将来の姿かもしれないが、色々な課題を海外との交流人口の拡大に解を求めた。「五族協和」と言うスローガンがある。これは満州開発に伴うもので、日本人、漢人、朝鮮人、満州人、蒙古人が民族を超えて、と言うものである。戦争や侵略に繋がったことも一面ではあるが、過去の大戦の反省を踏まえ、非軍事的に、平和的に交流人口の輪を海外に広げることが迫られる。むしろ日本のその先陣を切ってアジア諸都市と交流圏を育成する事は佐世保市の使命でもあると思う。
 娘は長崎大学の交換留学生としてタイのチェンマイ大学に学んでいる。東南アジアを身近にする行動を自分なりに進めている。

2015年4月8日水曜日

ちょっと政策⑤成熟先進国型の農業へ

 これから農業は劇的に、構造的に変化を迫られる。同様にその団体である農協の役割も変容する。この構造変化は決して農業者・生産団体にとってマイナスではない。しかしそれぞれを担う主役の姿は変わっていると思う。
 これまでの農政が確りとした産業政策であったかは、疑問である。時にと言うか往々にして衰退産業の手仕舞い的な産業政策であった様に思う。減反やミカンの園転、牛乳などの生産調整など、産業政策的に頑張ったかと思うとすぐ、手仕舞い政策になる。
 これからの農業の主役は大規模法人農業である。まず産業として農業が確立するためには企業:大規模法人にして資本・労働力・知力を集約しなければ太刀打ちできない。ただ株式会社型農業が行き過ぎると収奪型になり、環境が破壊される懸念もある。個人経営の農業や兼業農家による水田や畑、これも存立すべきである。大規模法人農業と農家が共存できる仕組み、そこに農協の役割がある。
 例えば食品会社が農業を始めるとする。すると地域の農協に農地や労働力の確保を依頼する。食品会社と農協が共同で生産法人を設立する。そこで常用で働くのは農協職員で、時々地元農家の方々がパートで働くこととなる。農協職員は経験を積み、実践的な営農指導員になる。65歳で定年したのちは営農ヘルパーとして、専業農家が家を開けなければならない時に活用する人材バンクで年金プラスアルファの所得を得る。農協は能力に応じて資材や肥料農薬も販売する。しかし相手が大規模法人農業となれば農協も高度化しなければならない。
 高度化、つまりは高度化しなければ、生き残れない。農業は成熟先進国型にならなければならないのである。具体的な取り組みとして、まずは農地バンクの使い勝手を良くする、大規模法人農業についての研究会を作り、誘致企業の検討を行う。
 いろいろ構想していますが、あとは衆知による肉付け、具体化ですね。