2015年10月19日月曜日

公民館等の施設利用料の値上げについて 9月一般質問から④

公会計における減価償却費の考えについて問う。

 新しい料金体系においては、減価償却費、と言う考え方が導入されている。公会計に、企業会計に倣い貸借対照表や損益計算書などの財務諸表を導入しようという考え方は、古くて新しい、また新しいようで昔からある考え方ではある。
まずは、佐世保市の場合、そうした取り組みはどのようになっているかを質問した。

 佐世保市においては、一般的な自治体会計の決算資料から推計して企業会計の財務諸表に類して作成されている。いわゆる発生主義に基づく日々の複式簿記による仕分けから作成されているのではなく、ある意味統計資料のようなものである。そこで「減価償却費」に対する考えが問題になる。 

住民説明資料11ページにおいて、公共施設の利用料算定に、減価償却費を参入する割合が示されている。

減価償却費とは一体何か。減価償却費とは、複式簿記を基礎とする企業会計において、土地を除く建物や機械などの固定資産の費用を、発生主義に基づいて収益に対応して耐用年数の期間で費用として案分したものである。ポイントは「営利を目的とする企業会計」であること、「利益に対応して」ということ、「実際上の現金の支出に関係なく」ということ、「税法上の費用とする」ということである。対して公会計は、住民から徴収された対価性のない税財源の配分を、議会における議決を経た予算を通じて事前統制のもとで行われる。ポイントは対価性のない税財源の配分、という事である。

 減価償却費と言うのは現金支出を伴わない費用、いわば概念上のものだが、あたかも何らかの費用支出が必要な表現及び説明は住民に対して不誠実ではないかを問うた。

特に公民館などは、憲法由来の、ある意味シビルミニマムあるいはナショナルミニマムに属する事であり、市が整備しなければならない施設が、補助金も含めて税金で整備されたというのが、現在利用されている公民館である。減価償却費と言う会計用語を使って企業会計風に表現すれば、一発償却で一年の単年度で費用として償却された形になっている。「減価償却費」は修理費とは違う。市が減価償却費として現金をどこかに支出するという事ではなく、複式簿記ではないので、相手科目もない。

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