2016年12月17日土曜日

ハラスメントについて 平成28年12月議会 一般質問①

インターネット放送もご視聴いただけます。

導入
・7回目の一般質問となる。色々なことが分かってきました。
・中でも一番分かった事は、「いかに自分が分かっていなかったか」という事。
・行政とは、究極的には人の営みとのかかわりであることを考えれば、この年になるまで、それなりに仕事もしてきて、地域や諸団体の活動もしてきて、子供も3人育て、世の中の事、十分に分かっていたつもりでした。
・一つを知ればそれに付随して、二つほどわからないことが出てくる。知れば知るほど、分からないことも増えてきます。
・対峙する市長はじめ行政各部局長の皆様は、行政のプロであります。担当するすべてにご精通であることは言うに及ばないことである。
・ただ事実は一つでも、見方はいろいろ。供給者か需要者か。行政か議会か、市役所か市民か、あるいは加害者か被害者かの違いもあるかもしれません。立ち位置によって見えるものは違ってきます。
・「無知の知」という話があります。古代ギリシャ時代、ソクラテスの哲学に出てくる言葉です。色々な解釈や言い回しはありますが、概略、「自分は何も知らないという『謙虚さ』を持つ」、というような意味かと思います。
・今日は「ハラスメントの認識と対策について」そして「畜産振興について」、2点質問をいたします。
ぜひ視点、立ち位置を変えて考えて頂ければと思います。



ハラスメントについて

問1
 まず行政組織・職場としての本市におけるセクハラ、パワハラ、そしてそれに起因するところの新型うつ病の把握する現状についてご説明願います。

回答

コメント
 私の子供もいよいよ来年4月から社会人になります。子供や親友達などの情報によれば、本市にも子供の友人が数名、採用されている様です。職場に馴染み、能力を発揮し、自己実現をし、仕事人生を全うして欲しいと願うばかりです。先般来、大手広告代理店電通の入社2年目、24歳の前途有望な女性が自ら命を絶たれた、という事件があり、労働基準監督署が「月の時間外労働が105時間、心理的負荷による精神障害で過労自殺に至ったとして労災認定した」との報道が連日なされました。
 また福岡県糸島市の男性職員52歳、うつ病自殺の報道もありました。

問2
 月の時間外労働100時間というのは、一つのキーワードとなっているような気がします。佐世保市役所における月に100時間を超える時間外労働の実態はどのようになっていますか、お尋ねをいたします。

回答

コメント
 このことについては調査を依頼して1週間ほどでしょうか、調査とその取りまとめに、時間がかかりました。ここ2,3月、電通の女性社員の自殺は頻繁にテレビや新聞で報道されていましたので、こうしたニュースがあれば、自身が責任を持つべき職場の実態はどうなのか、と反射的に疑問が出るのではないか、出るべきではないかと思います。月末締めで、少なくとも月開け1週間の内には各部局の残業時間が把握され、監督指導があるべきと思いますが、つまり、管理上常時把握しているべき数字であると思いますが、常時の危機管理意識がどうなのでしょうか、疑問を持ちます。

 そんなことから日頃セクハラやパワハラが発生した時、どんな受け止め方がなされるのか、心配であります。

問3
 セクハラを受けた女性は、まずどのような流れで、救済されますか、同様にパワハラについては、どのような対処でしょうか、お尋ねをいたします。
具体的にご説明をお願いします。

回答

問4
 ご説明の総務部長発、各部かい長様宛、「セク・ハラ、パワ・ハラの防止について(通知)」とパンフレットについて質問します。
 ここには部かい内の会議・朝礼等を利用して所属職員に周知するよう書かれていますが、どのように実施されたかの確認はどのようになされましたか。

回答

コメント
 このパンフレットに、パワハラとはとして「挨拶しても無視される」「処理しきれない仕事を無理やりやらされる」「みんなの前で上司から大声で怒鳴られる」などが記載されています。大声で怒鳴る、家族のことなど私的な領域に踏み込む、心的ストレスからか通院で休むことになった女性職員に対して診断書の提出やそのコピーを提出させる、そんなことがあったなどの風聞もあります。

問6
 ご説明のセクハラ防止要綱に記された苦情相談窓口の設置、苦情処理委員会の設置についてお伺いいたします。どのような構成あるいは設置内容になっていますか。

回答

コメント
 苦情相談窓口が設置されて、その相談員は所属長が職員の中から指名するとなっています。説明によれば職員課では課長と課長補佐、教育委員会・消防局では課長、男女共同参画課女性職員が相談員になっているという事です。
 現状ではこの苦情相談の窓口や苦情処理委員会というのが、ハラスメントで悩む職員にとっては最後の救いであると思いますが、現実的にこの使い勝手がどうなのかという事で、質問をいたします。

問7
 例えばこの制度によって救われる側からの、この制度の使い勝手を見る必要があると思います。深く悩んだときに、スムーズに相談できる仕組みになっていると思われますか。

回答

コメント
 私は現在の「佐世保市職員のセクシャル・ハラスメント防止に関する要綱」からもその趣旨が理解されない運用がなされているのではないかと思います。まず相談窓口の設置と相談員ですが、相談員は別表1の相談窓口の所属長が職員の中から指名するとなっています。

問8
 別表1とは職員課、人権男女共同参画課、教育委員会総務課、消防局総務課となっていますが、その所属長とはどなたと解釈されるのでしょうか。

回答

コメント
 私は普通に読めばその課長であると思います。この要綱では2段構えになっていて、まず相談員に相談し、そこでの解決が難しい場合には苦情処理委員会に処理を依頼する様になっています。苦情処理委員会は別表2に記され、先ほどの課長と、総務部長が苦情処理委員会の委員長を務めるようになっています。
課長が、課長よりも下のクラスの職員から相談員を選び、相談窓口の敷居を低くするというのがこの要綱の第一ではないでしょうか。課長が相談員になるのは間違いではありませんか。

問9
 運用が十分ではないと思いますが、どのようにお考えでしょうか。

回答

コメント
ハラスメントが起きたらどのようになるか。
 民法709条 加害職員に対して 「不法行為に基づく損害賠償責任」
  民法715条 企業の使用者責任
  民法415条 雇用契約上の安全確認・職場環境配慮義務の不履行

 冒頭でお話ししました福岡県糸島市における本年11月10日の控訴審判決では、「上司が男性の過重業務を認識していなかった。上司が勤務時間を減らしたり職務分担を変更したりすれば自殺を回避することも可能だった」として市の安全義務違反を認めました。

 これから責任回避のためのアリバイ工作の様な対応では、ハラスメント事件は防げないしまたその責任は回避しえない。そこでこの要綱の趣旨を生かすとともに実を込め効果有らしめることが必要です。

問10
 まずセクシャル・ハラスメントの防止綱領がパワー・ハラスメントなどにも重用されていることを、文言を整理して、「ハラスメント防止綱領」に変更する。
 相談員を趣旨通りに課長未満で指名し、広範な部署に配置し、相談の敷居を低くする。
 さらに、相談員はその趣旨を理解していただき氏名、メールなどパンフレットに明示し周知を図る。相談しやすくすると同時に、そうすることにより人事異動を通じて、相談員経験者が職場組織に広がり、ハラスメントへの意識が向上し抑止につながると思います。
 ご提言しますが、いかがでしょうかご感想をお聞かせください。

 ストレスチェック義務化の制度がスタートしました。
問11
 取り組み体制、どのように生かされるのか、お尋ねします。

回答

コメント
 しっかりとしたハラスメント対策とストレスチェックをして、私が必要と思うのは健全な職員としての能力向上、そして行政組織の組織力の向上です。

ショーペンハウエル ヤマアラシのジレンマという寓話があります。

寒さに震える二匹のヤマアラシ
温もりが欲しくて互いにくっつくと、トゲが刺さって傷つくし、相手も傷つけてしまう
かといって離れると温もりが届かず寒い
ぬくもりという価値ある距離は傷つき傷つけられる危険な距離でもあります。近づいては離れる、離れては近づく、何度も繰り返すうち、やがて二匹は温もりを感じつつも傷つかない距離を見つけ、幸せになった。  そんな話です。

 相手を傷つけない距離とは安全な距離です。しかしそれは、お互いにとって有益な距離ではありません。議員という立場から佐世保市の行政組織を見つめて1年半ほど、人と人、部局と部局、それぞれに相手をおもんばかって、また縦割りの壁を厚くして、安全な距離が確りとキープしてあるように感じます。
 傷つきながらも見つけ出した絶妙の距離感、これが夫婦や家族のきずなであり、組織の力の源、組織力です。「市役所力」、何となくさらりとしていませんでしょうか。

 相談体制を整備しストレスをチェックし、時に傷つくことがあっても、職場での議論が活発になり、上司は部下を育て、また部下の批判に耐えうる能力を培い、活力ある組織になるよう期待いたし、この項目の質問を終わります。

最後に市長の見解を問う。

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