2016年7月25日月曜日

文教厚生委員会視察報告 28年7月

福井県越前市
  児童養護施設「一陽」について

  武生市(合併により越前市)直営の児童養護施設の民営化方針を受け、指定管理者指定による経営を経て、その後、児童養護施設一陽が新設され事業がスタートした。市直営においては年間8000万円の市財政の負担が生じており、それが民営化検討の契機であるが、市直営児童養護施設で働く現場スタッフが社会福祉法人を設立し、市施設の指定管理から、独自の施設開設へと発展し、完全な民間の施設となっている。

  施設はRC3階建、敷地面積1298.99㎡、床面積1353.36㎡、施設定員40名、小舎ユニット制で常勤職員32名、非常勤職員6名で運営されている。職員は保育士や児童指導、心理療法などの専門知識を学んだ資格者で、さらにマネジメント能力が日常において育まれている。給与は全てオープンにしてあり、職員の採用は現場のスタッフが行うなど現場スタッフの働き安さが随所において探求されている。職場としての健全性を向上させる仕組み、スタッフのモチベーションを高める仕組みが、この施設の特徴である。

  こうした事から一陽は単なる児童養護施設に止まらず福祉のプロ集団として越前市の福祉施策も担っている。例えば生活困窮者支援事業また子育て支援事業を市から委託され、引きこもり学習支援などの活動を行っている。中でも「ブックスタート事業」はその事業を利用しない5%程の家庭を徹底訪問し、むしろこうした家庭こそ虐待やネグレクトなどの芽があるとの考えのもと事業展開されている。

  また市内の中学生に「赤ちゃんをだっこさせる事業」を他団体と共同して行い、命の大切さ、健全な母性の涵養が図られている。たくさんの母親と赤ちゃんを集める、これも容易なことではなく、一陽の活動が先行し市の福祉子育て政策を力強く牽引しているとさえ言える様である。

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