2016年7月26日火曜日

文教厚生委員会視察報告 28年7月 ②

大阪府堺市



   子ども食堂モデル事業について



  堺市では家庭的な環境の中で食事をする機会の少ない子どもに対して、食事と居場所を提供する「子ども食堂」をモデル的に開催する事となり、まさに視察研修の前日の7月20日、第1回目が開催されている。メニューはカレーライス、11:30~13:30の時間帯で行われ、就学前38名、小学生8名、大人33名、合計79名の参加となっている。ただ貧困家庭という意味においては、その参加者は1割にも達していないのではないのかということであった。

  本来「子ども食堂」は子どもの貧困を背景として毎食きちんと食べることができない環境を強いられている子どもに対し、家庭的な環境で食事を提供する事を目的に、あくまでも民間のボランティアとして始まったものである。行政がどの様にかかわることができるかは、多くの議論を要することである。行政では生活困窮者支援のための事業はすでに存在しており、「子ども食堂」がモデル事業の期間の後、どの様に行われるのか、ただ堺市においては中学校区に1カ所、週に1回程度の開催を目標に、本格的に事業に取り組むとのことであった。

  今回のモデル事業は総額500万円で民間団体に委託され、3カ所月1回を3クルー行うこととなっている。内訳は子ども食堂の運営に300万円、事業報告書作成に200万円となっている。全中学校区にとなれば大きな財政負担となるが、自助、共助、公助の観点からすれば、費用対効果はどうなのかとの疑問は湧いてくる。

  子ども食堂、と言う表現である事により子どもが参加しやすいということではある様だが、本来こうした活動の必要な子どもの参加が少なく、子どもの貧困問題への明快な処方箋はない。私自身この「子ども食堂」をすべく検討しているので、行政がやるべきことは、こうした形での直営ではない様にも思える。行政でしかできないこと、行政の力添えがあればより効果的にできること、そうした事を検討していきたい。

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