2011年7月23日土曜日

尾籠な話で恐縮ですが(1)

人生50年も過ぎてくると、身体のあちこちに不具合が生じる。同年代が集まると、もっぱら、その手の話になる。Y下社長は近頃胃カメラで胃のポリープの細胞検査をして、どうやらガンではないらしいと、ホッと胸をなでおろした。一方Y本社長は狭心症と言う事でニトロを持ち歩く事になった様だ。得意のネット通販で購入したニトロカプセルのペンダントを、ワイシャツの第2ボタンを外して見せてくれた。しかしその狭心症は生来の気の小ささから来る被害妄想的なもので、病には至っていないようである。幼い頃、怪我をして真っ白な包帯をすると何となく嬉しかったように、Y本社長もニトロカプセルペンダントが嬉しそうである。
30年ほど前の事、ちょうど今の僕位の 年代の紳士との会話で、やはりその紳士も健康の話をと言うか、蘊蓄を、相づち名人の僕に対して語り始めた。「尾籠な話で恐縮何だけどね…」、で始まったその話の内容は覚えていないが、尾籠な話で恐縮、と言うフレーズを辞書的な知識では知っていたものの、こうもさりげなく、日常の会話の中で聞いたのは初めてで、その紳士に、大人の教養を感じたものである。
先般、腸の内視鏡検査をしてもらった。その経験談を話すに際しこの「尾籠な話で恐縮何だけどね」と語り始めようとチェレンジしたが、何となく言葉が浮いている。尾籠な話で恐縮ですが、肛門からカメラを挿入し、大腸の先まで見るんです。

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