2011年8月6日土曜日

尾籠な話で恐縮ですが(3)


 検査の結果はまさに大発見、であった。直腸に大きめのポリープができていた。1.5センチ以下は、その場で検査→発見→切除、となるのだが、2センチ近くになると危険度が格段に増し、総合病院への紹介と言うことになった。大きなポリープを切除するに際し、血管を傷つけ輸血が必要な場合が稀にあるためということであった。
 ポリープは大きめ、根元部分がくびれた形ではなく台形をしていて、しかも二段になっている。先生の見立てでは、この形状ではポリープの上段の部分は間違いなくガン、問題は下部のポリープのどの部分までガンが進んでいるかと言う事であった。また腸の本管に達していればさらに外科的手術、要するに開腹して直腸を大きめに切除しなければならないという事であった。
 便潜血反応では、ポリープ・早期ガンは発見できない場合の方がむしろ多く、進行ガンになってやっと大方が発見できると言う事であった。しかし、直腸に至っては進行がんでも便潜血反応で発見できる確率は50%以下であるそうだ。僕の場合、とりあえず直腸のポリープ・早期ガンの状況という見立てであり、
「あんた、運がいいね、この場合普通ほとんど発見できんとよ。来年になったらちょっと複雑になってたやろね。なんで、わかった?」と先生はしみじみと慈愛に満ちた目で語ってくれた。
「何か、下痢が多かったり、腹の調子が悪くてですね」
「そがんとはこのポリープとは一切関係なかとよ。ポリープが出血するかどうか、それが便のどの部分に付着するか、検査のサンプルがそこにヒットするか、この場合ほとんど発見できん、いや、ようわかったね」
 結果的にはガンの告知ではあったのだが、何となく、むしろ自分は強運の持ち主のように感じ、もっともこの事を問わず自分は強運とは思っているのではあるが、明るい気持ちになって病院を後にした。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

故S君の母上が忌明けの時、「皆さんも、健康診断はして下さいね」と言われて、あれからみんな検査をするようになったけど、早期発見でよかったね!S君に感謝せんばね!