2013年1月26日土曜日

九大と東大と東工大と・・・①

 2年前、長男が九大に合格した。本人には意に沿わない大学なのではあるが、しかし名門である。センター利用で明治の工学部には合格していたが、九大とは比べようがない。早慶に落ち、九大に行く事になったのである。入学に際し福岡での一人暮らしの家財道具を買うために、付近のナフコなどを回った。
「大学に入って、一人暮らしですか、えっ、九大ですか」とレジのおばちゃんまでが、長男のチャライ風貌と見比べ、驚く。それほどまでに長男がチャライのでは無く、福岡、或いは九州においての九大ブランドは圧倒的なのである。その事を実感した。その九大を、5月の連休を前に、辞めると言いだした。辞めるのは止めろ、と説得はしたのだが、本人の意思は固い。しかし実は、自分自身、それでも良いという思いがあった。この長男の何の苦労もしていないわがままな性格に、田舎の優等生のプライドを加えたら、将来どうなるのかな、まさに危惧である。全国レベルどころかこれからは海外さえも普通の仕事場である。そんな将来を見つめれば、今あえて苦労を選ぶのであれば、それも良し、と思ったのである。
 浪人1年目、東大のセンター試験足切りはかろうじてクリアしたものの合格ならず、また早慶もダメ、想定外の2浪生活に入った。初めての挫折のようであった。その後今日に至るまで気の緩み、ダレ、マンネリ、12月を過ぎたころからの不安感、焦燥感、危機感、そして恐怖心、それらが重くのしかかっていたようである。ただ親の目にはその経験が、長男を少しずつ大きくさせている事を見る事も出来た。この長男には九大もダメ、それを止めてすぐに東大・早慶に入るのもダメ、今のようにプレッシャーに押しつぶされそうになり、さらにそれを克服する事こそが是非とも必要であったようである。
 センター試験が終わった。800点取れなかったら東大から東工大へ進路変更、を長男と決めた。浪人1年目は、東工大に行くくらいなら早慶に行く、と平然と言っていた。僕もそうね管直人が出たとこなんて止めとけ、と言ってはいた。しかし東工大についてホームページで調べてみるとなかなか優秀な大学である。教育環境、学費、早慶とは比較にならない。長男も成長しそれまでの表層的な大学ブランドからの視点から解放されたようである。大学に入れば例えば海外留学も普通にあるだろう。親の経済的な負担や教育環境、どう自分が伸びていくのか、そうした事を考える事が出来るようになったようである。一般的には普通の事のようではあるが。
 東大と東工大の話へと・・・続く。

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