2015年3月23日月曜日

ちょっと政策③産業連関表(佐世保市版)の作成

「無知の知」なる言葉がある。ソクラテスはかつてさまざまな知者と対話し、「確かに彼らはあらゆることに精通しているが、肝心の自分自身がひょっとしたらまだ知らない事があるかもしれないと言う一番大事なことを知らない」と喝破し、その知恵者よりもわずかに自分が優れ、そこに自分の必要性確信していた。ソクラテスの問いかけや反論によって新しい「知」が生まれ、そうしたソクラテスの論法は産婆哲学とも呼ばれた、と学生時代、何とか原論的な講義で聞いたような気がする。以来、知らないという事は恥ずかしいことではなく、より知るための入り口と妙に納得した。
 佐世保の事、あまり知らない、と実感する。知っている人はどのくらい知っているのだろう。佐世保市をどうしたい、そんな議論が時として膠着状態に陥るのは、それぞれの知っていることに差があるためではないかと思う事がある。そこで考えているのは「産業連関表」の作成である。
 市内の企業活動や家計がどのような構造になっているのか、を分かりやすくしたものである。例えば工場を誘致して、その工場は省力工場で雇用はあまりなく、原材料は市外から調達され、商品は市外に売られ、売り上げは市外の本社に上がる、とする。その工場誘致は市にどのくらいの富をもたらすのだろう。ひょっとしたら、例えばイリコなどの小規模な水産加工業の方が、市内への富の導入は大きいかもしれない。であれば工場誘致よりも地場産業活性化の方が効果的である。成長期には色々な選択肢や複数の選択が可能でも、ダウンサイジングのこれからは択一を厳しく迫られる。
 総務省が昨年10月に、全国の市町村に産業連関表の作成の有無を調査したと新聞で目にした。佐世保市でも市議会で議論になったりしたのかもしれない、が知らない。立候補を決意して以来、議会報はできるだけ精読しているのではあるが。先進地域では施策の土台にはこの連関表があるようで、市内にどれだけ富が流入し、なおかつ循環するのか施策の必要性を皆が認識することとなる。
 佐世保市の産業連関表を見てみたい、先進事例とその充実度を比較してみたい、それに基づいて効果的な施策を提言し実施したいと思うのである。

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