2020年3月23日月曜日

農林整備:河川 「国土強靭化と治山治水について問う」①

ネット放送をご視聴ください。
http://www.sasebo-city.stream.jfit.co.jp/?tpl=play_vod&inquiry_id=1150

本市においても国土強靭化計画が策定され、強くしなやかな佐世保市が目指されることとなる。昨年は地元の江迎町も豪雨に見舞われ河川の氾濫や土砂崩れなど被害が大きかった。何点か気づいたことがある。その点を質疑することで、強靭化の一助としたい。

1.   本市強靭化計画において本市の特徴として急傾斜地や土砂災害の危険性が指摘されている。そこでその有効な手段として従来整備されてきた治山ダム、砂防ダムの本市地域における整備の状況はどのようになっているかについてお尋ねする。
 また、私は、豪雨のたびに石岩の類の河川への流入が増えたのでは治山ダムや砂防ダムに土砂が溜まることによってその機能が低下した結果ではないかと憂慮している。そのことで、河川内の田に水を入れるなど利水のための取水堰がかつては懐の深い水たまりがあった箇所に岩石瓦礫が埋まっている状況となっており、浚渫の必要を感じる。そこで、治山ダムや砂防ダム、河川内にある取水堰における今後の対応はどのように考えているかについても合わせてお伺いする。


回答1
農林水産部長答弁
治山ダムの整備状況および治山ダムの今後の対応についてお答えします。
治山ダムにつきましては、荒廃した渓流にダムを設置し、ダム上流部にある不安定な土石を堰きとめ、下流への被害防止を図ることと、渓流の安定を確保することにより、森林の維持・造成を併せて図ることを目的として設置されます。
治山ダムの設置は、国及び長崎県で実施されておりますが、本市域内に現在87箇所設置されており、長崎県において維持管理を行われております。
 また、今後の対応といたしましては、県によりますと、治山ダムが飽和状態であると確認できた場合は、上流側または、下流側に治山ダムを追加施工することで対応し、上下流に適地がなく、緊急対応の必要性が認められる場合は、ダム背面の排土(浚渫)を検討し、対応されると伺っております。
 本市としましても、そのような対策を必要とする状況が確認できた場合は、県に働きかけていくこととしております。


土木部長答弁
 
砂防ダムと取水堰については、私の方からお答えいたします。
まず、砂防ダムにつきましては、森林の維持・造成を目的とした治山ダムに対し、土砂災害防止を目的として設置されます。
具体的には、長雨や集中豪雨などにより山腹が崩壊し河川や渓流に流れ落ちる「土石流」を直接受け止めたり、また、河川の勾配を緩やかにすることで、流水の勢いを弱めて河床が削られるのを防止したり、あるいは、砂防ダムに土砂を貯めることで、両岸の山すそを固定して山腹崩壊を防ぐといった働きがございます。
このような砂防ダムは、県において整備が進められており、本市域内に約60基設置されているとのことでございます。
また、今後の対応につきましては、県によりますと、砂防ダム直上の堆積状況及び、上・下流の荒廃や土石の状況、あるいは、下流側の保全人家状況などを総合的に判断し、今後、計画以上の土石の流下による被害が想定される場合は、新規砂防ダムの設置や浚渫について検討を行い、適切な防災機能の確保に努めていくとのことでございます。
なお、令和2年度から新たに創設される「緊急浚渫推進事業」は「砂防」にかかる浚渫も対象となるようでございますので、今後、採択要件等詳細な情報がわかり次第、当事業の活用が可能な場合は積極的に活用し、さらなる防災・減災対策に取り組んでいただくよう、県に働きかけていきたいと考えております。
次に、取水堰につきましては、一般的には、河積が阻害され、洪水の流下になんらかの影響が及ぶこととなりますが、河川の利水機能を増進するためには不可欠な施設であるため、治水上の支障を最小限にとどめるよう十分配慮し、河川管理者の許可のもと設置されるものでございます。
したがいまして、取水堰への土砂等の堆積により治水上支障をきたす場合は、原則、設置者において対策を講じていただく必要がありますが、河川管理者において緊急性が高いと判断した場合は、土砂等の撤去などの対策を実施する場合もあります。

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